毎年この季節になると「サマータイムが終わるから取引時間が1時間ズレます」っていうお知らせが各社から飛んできますよね。私も最初の頃は「ふーん、11月にズレるのね」くらいで流してたんですよ。
でも実際に自分でカレンダーを数えてみたら、2026年の秋は「時間がズレる日」が4回あることが分かったんです。しかも、10月26日からの1週間だけ、欧州と米国の時差が普段と違う状態になります。
ここ、けっこう事故りやすいポイントなんですよね。「欧州が冬時間になったってことは、米国の指標も1時間遅くなったはず」と勘違いすると、FOMCを1時間ズラして待つことになります。というわけで今回は、秋の切替日を全部並べて、日本時間の早見表を自分で作り直してみました。
そもそも、なんで4回もズレるのか
理由はシンプルで、夏時間をいつ始めていつ終わるかは国ごとの法律でバラバラに決まっているからなんですよ。「世界共通の切替日」みたいなものは存在しないんです。
私は元システムエンジニアなので、この手の日付は二次情報じゃなくて元のルールを見にいく癖があるんですけど、今回も根拠を一次ソースで拾ってきました。米国は連邦法(合衆国法典15編260a条)に「3月第2日曜の午前2時から11月第1日曜の午前2時まで」とそのまま書いてあります。EUは指令2000/84/EC の第3条に「10月最終日曜の午前1時(GMT)に夏時間を終了する」と明記されています。
南半球はこれと逆で、秋(日本から見て)に夏時間が始まる側なんですよね。ニュージーランドは9月最終日曜、オーストラリア(シドニー等)は10月第1日曜スタートです。このあたりはIANAのタイムゾーンデータベース(tzdb)の定義ファイルを直接読んで確認しました。職業病です。
で、2026年のカレンダーに当てはめるとこうなります。

| 切替日(現地) | 地域 | 何が起きる | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 9月27日(日) | ニュージーランド | 夏時間開始(UTC+12→+13) | 9月最終日曜 |
| 10月4日(日) | 豪シドニー等 | 夏時間開始(UTC+10→+11) | 10月第1日曜 |
| 10月25日(日) | 欧州(EU・英国) | 夏時間終了(英UTC+1→0) | EU指令2000/84/EC 第3条 |
| 11月1日(日) | 米国 | 夏時間終了(NY UTC-4→-5) | 合衆国法典15編260a条 |
ざっと5週間かけて、世界の時計が4回バラバラに動くわけです。これを「11月にズレる」の一行で覚えてると、そりゃ混乱しますよね。
日本時間の早見表を作り直しました
というわけで、日本時間(JST)でどう見えるかを全部計算し直しました。日本は夏時間がないので、動くのは向こう側だけなんですけど、その分「相手が動いた分だけこっちの生活時間がズレる」という形になります。
まずアジア・オセアニア側。ここは9月末から10月頭にかけて早くなる方向に動きます。
| イベント | 〜9/27 | 9/28〜10/4 | 10/5〜 |
|---|---|---|---|
| ウェリントン 9:00 | 6:00 | 5:00 | 5:00 |
| シドニー 9:00 | 8:00 | 8:00 | 7:00 |
週明け月曜の値動きが始まる時間が早くなる、という話なんですよね。月曜朝の窓開けを確認してから動く人は、9月28日の週から起きる時間を1時間前倒しすることになります。
そして本題の欧米側。こっちは遅くなる方向です。しかも欧州と米国で1週間ズレます。
| イベント(現地時刻) | 〜10/25 | 10/26〜11/1 | 11/2〜 |
|---|---|---|---|
| ロンドン市場オープン 8:00 | 16:00 | 17:00 | 17:00 |
| ロンドンフィックス 16:00 | 翌0:00 | 翌1:00 | 翌1:00 |
| ユーロ圏の指標 11:00 CET | 18:00 | 19:00 | 19:00 |
| ECB記者会見 14:45 CET | 21:45 | 22:45 | 22:45 |
| 英BOE政策金利 12:00 | 20:00 | 21:00 | 21:00 |
| 米指標 8:30 ET(雇用統計・CPI等) | 21:30 | 21:30 | 22:30 |
| 米指標 10:00 ET(ISM等) | 23:00 | 23:00 | 翌0:00 |
| FOMC声明 14:00 ET | 翌3:00 | 翌3:00 | 翌4:00 |
| NYクローズ 17:00 ET | 翌6:00 | 翌6:00 | 翌7:00 |
真ん中の列、見てもらえますか。欧州の行だけ動いていて、米国の行は全部そのままなんですよね。これが「1週間だけの変な週」の正体です。
10月26日〜11月1日に何が起きるのか
この週、ロンドンとニューヨークの時差が普段の5時間から4時間に縮みます。欧州だけ先に時計を戻すので当然そうなるんですけど、数字で見ると地味にインパクトがあるんですよ。
両市場が重なる時間帯を日本時間で計算すると、こうなります。
POINT
ロンドンとNYが重なる時間帯(日本時間)
・10月25日まで … 21:00〜翌1:00(4時間)
・10月26日〜11月1日 … 21:00〜翌2:00(5時間)
・11月2日以降 … 22:00〜翌2:00(4時間)
この1週間だけ、普段いちばん流動性が集まる時間帯が1時間ぶん長くなる計算になります。
そしてタチが悪いことに、この週にFOMC(10月27〜28日)とECB理事会(10月28〜29日)が連続で入っています。どちらも各中央銀行が公表しているスケジュールで確認した日程です。
つまり10月28日のFOMC声明は、まだ米国が夏時間なので日本時間の10月29日午前3時ごろ。その翌日のECB記者会見は欧州がもう冬時間なので日本時間22時45分。ヨーロッパは1時間遅くなってるのに、アメリカは変わってない。この非対称が同じ週に同居するわけです。
「欧州が冬時間に入ったし、そろそろ米国指標も1時間後ろだよね」と思い込んで4時に目覚ましをセットすると、声明はとっくに出ています。逆に11月に入ってから「いつもの3時でしょ」と構えていると、今度は1時間早すぎる。切り替わるのは11月2日(月)の取引分から、とセットで覚えておくのが安全なんですよね。
MT4/MT5のサーバー時間はいつ動くのか

もうひとつ、海外FX特有のややこしさがMT4/MT5のサーバー時間です。チャートの時間軸に出ているアレですね。
多くの海外業者はサーバー時間として冬はGMT+2、夏はGMT+3を採用しています。なんでこんな中途半端な値なのかというと、週明けのオープン(ニューヨークの日曜17時)がちょうどサーバー時間の0時になるように合わせてあるからなんですよ。こうしておくと日足の区切りがNYクローズと一致して、日足が週5本できれいに並ぶんです。
で、この基準はニューヨーク時間なので、サーバー時間が動くのも米国の切替(11月1日)に連動するのが基本です。GMT+3からGMT+2に戻ると、日本時間で見た日足の区切りは6:00から7:00へ1時間後ろにズレます。上の表のNYクローズの行と同じ動きですね。
ただ、ここが厄介なんですけど、サーバー時間の調整を米国基準ではなく欧州基準で行う業者もあるんです。複数の情報源で確認した限りでは、春の切替(米国3月第2日曜/欧州3月最終日曜)でこの差が表面化して、その期間だけ日足が週6本になる業者が実在します。
注意
同じ理屈でいくと、秋も10月26日〜30日の1週間だけ日足の本数が合わなくなる業者が出てくる可能性があります。ただしこれは仕組みから導いた推測であって、各社の実挙動を確認したものではありません。自分の口座がどちらの基準なのかは、必ず利用中の業者の告知・配信メールで確認してください。切替日と対応内容は各社が個別に案内しています。
自分で確かめる方法もあって、これは単純です。MT4/MT5に出ている時刻と、手元のPCやスマホの時刻を並べて差を数えるだけ。差が6時間ならサーバーはGMT+3、7時間ならGMT+2です。切替が想定される週末をまたいだら、月曜の朝にもう一度数え直す。それだけで自分の環境の正解が分かります。
POINT
私はこの時期、チャートのスクリーンショットを撮るときに必ずPCの時計も一緒に写し込むようにしています。あとから「これ夏時間のときの足だっけ?」と迷わずに済むんですよね。地味なんですけど、検証ノートを見返すときの効き目がかなり大きいと感じています。
この時期に相性がいい業者の条件
時間がズレる時期って、実は普段より「時間帯を絞って触る人」が不利になりやすいと思うんですよ。というのも、いつもの感覚で入った時間が、実際には指標の直前だったりオープン直後だったりする可能性があるからなんですよね。
なので業者選びの目線で言うと、この時期に見ておきたいのはこのあたりです。
- 指標発表前後のスプレッドの出方 … 時間を読み違えて指標に突っ込んだときに効いてきます
- 約定の安定性 … オープン直後の薄い時間帯に触ってしまったときの差が出ます
- 切替の告知がちゃんと出るか … サイトやメールで事前に案内してくれる業者かどうかは、地味ですが大事なポイントです
短期売買を前提に口座を選ぶなら、このあたりを重視しているExnessは選択肢に入れやすいと思います。私自身もこの時期は、時間帯ごとの挙動を記録する口座をひとつ分けて持つようにしているんですけど、そういう使い方にも向いているんですよね。最新の取引条件は必ず公式サイトでご確認ください。
FX取引はレバレッジを用いた取引であり、預けた資金(元本)を上回る損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。取引を行う際は自己責任・余裕資金の範囲で行い、各社公式サイトで最新のリスク説明書・規約を必ずご確認ください。
まとめ
2026年の秋の時間ズレを、もう一度整理しておきますね。
- 9月28日からウェリントンが1時間早まり、週明けのオープンが早くなる
- 10月5日からシドニーが1時間早まる
- 10月26日から欧州が冬時間。ロンドンオープンが17:00、ECBやBOEが1時間後ろへ
- 10月26日〜11月1日の1週間だけ、ロンドンとNYの時差が4時間になる。FOMC(10/28)とECB(10/29)がこの週に入っている
- 11月2日の取引分から米国が冬時間。米指標もNYクローズもMTの日足の区切りも1時間後ろへ
正直、覚えようとすると絶対どこかで間違えるんですよね。私も毎年一度は寝る時間を間違えています。なので「暗記する」んじゃなくて、この記事の早見表をブックマークしておいて、その都度見るくらいの付き合い方がちょうどいいと思います。
なお、切替日そのものは制度として決まっていますが、取引時間やサーバー時間をいつどう変更するかは業者ごとの運用です。この記事の数字は公開情報と自前の計算に基づくものなので、実際の運用は必ず利用中の業者の告知で確認してくださいね。
