海外FXの「ASIC登録あり」を全6,526件のCSVで一気に照合してみた|XM・Exness・XS・主要20社の結果

本記事はプロモーションを含みます。掲載している海外FX業者のリンクから口座開設等が行われた場合、当サイトが提携先企業から成果報酬を受け取ることがあります。

海外FX業者のサイトを見ていると、だいたいどこかに「ASIC認可」「AFSL取得済み」みたいな文言が載ってるんですよね。オーストラリアの金融当局ASIC(豪州証券投資委員会)のライセンスのことです。

前回の記事では当局の登録簿で番号を1社ずつ引く手順を書いたんですけど、正直あれ面倒なんですよ。1社ごとに検索フォームを叩かないといけないので。

今回はその面倒をまとめて片付けます。というのも、オーストラリア政府のオープンデータポータルに、AFSライセンスの全件データがCSVで置いてあるんですよね。落としてきて主要業者を一気に照合してみたら、けっこう予想外のことが出てきました。

まず結論:全6,526件を絞り込むとこうなった

2026年9月26日時点の最新版(9月23日更新)を集計した数字がこちらです。

POINT

AFSライセンス保有者は全部で6,526件。そのうち「Foreign exchange contracts(外国為替契約)」を扱えるのが1,540件。さらに条件欄に「retail(個人顧客)」の記載があるのが649件。そして自分で値段を作れる(マーケットメイク)認可を持ち、かつ個人向けなのは131件だけでした。

6,526件が131件。同じ「ASIC登録あり」でも、中身はここまでバラバラなんですよ。この差を読み分けられると、業者選びの解像度がけっこう変わると思うんですよね。

データの取り方は3ステップ

使うのはdata.gov.auという豪州政府のオープンデータポータルです。ASICが登録簿をまるごと公開してるんですよ。毎週木曜更新で、ライセンスはCC BY 3.0 AU。

  1. CKAN APIでデータセット情報を取る(https://data.gov.au/data/api/3/action/package_show?id=asic-afs-licensee)
  2. 返ってきたJSONの中からCSVのURLを拾う(2026年9月時点で約11MB・6,526行)
  3. ダウンロードして表計算ソフトなりで開く

列は11個あるんですけど、見るのは実質4つだけなんですよね。AFS_LIC_NUM(ライセンス番号)、AFS_LIC_NAME(法人名)、AFS_LIC_START_DT(登録日)、そしてAFS_LIC_CONDITION(認可条件の全文)。最後の条件欄が本体で、ここに「何を・誰に対して・どういう立場で扱っていいか」が全部書いてあります。

ちなみに当局の検索画面だとこの条件欄がすごく読みにくいんですけど、CSVなら全文がそのまま入ってるんですよ。検索フォームと格闘するより断然ラクです。

落とし穴その1:ブランド名で検索しても1件も出てこない

最初にやらかしたのがこれでした。「IC Markets」で検索しても0件なんですよね。潰れたのかと一瞬焦ったんですけど、そうじゃなくて、登録簿に載っているのは法人名だからでした。

印刷した一覧表から該当する行をマーカーで探す様子

で、その橋渡しをしてくれるのがABN Lookup(abr.business.gov.au)という別の政府サイトなんですよ。CSVに入っているABN(豪州の法人番号)で引くと、その法人が登録している商号(Business name)が出てきます。つまり「ブランド名 ←→ 法人名」の対応がここで公式に確認できるというわけなんですよね。

実際に引いてみると、こんな感じでした。

  • INTERNATIONAL CAPITAL MARKETS PTY. LTD. → 商号「IC Markets」
  • FIRST PRUDENTIAL MARKETS PTY LTD → 商号「FP Markets」
  • AXICORP FINANCIAL SERVICES PTY LTD → 商号「AXITRADER」「AXIFOREX」
  • TF GLOBAL MARKETS (AUST) PTY LTD → 商号「THINKMARKETS」「THINKPRIME」「thinkforex」

名前が全然違うじゃないですか。これを知らないと「登録されてない!」って早とちりするんですよ。私は実際やりかけました。

主要業者を照合した結果

その要領で主要どころを一気に引いた結果がこちらです。「個人向け」は条件欄にretailの記載があるか、「値段を作れる」はマーケットメイク(自分でレートを提示する)の認可がFX契約に付いているかを見ています。

ブランド 登録簿上の法人名 AFSL番号 個人向け 値段を作れる
XM Trading 該当なし(登録簿に見当たらず) — —
Exness 該当なし(登録簿に見当たらず) — —
XS.com XS PRIME LTD 374409 なし なし
IC Markets INTERNATIONAL CAPITAL MARKETS PTY. LTD. 335692 あり あり
FP Markets FIRST PRUDENTIAL MARKETS PTY LTD 286354 あり あり
Pepperstone PEPPERSTONE GROUP LIMITED 414530 あり あり
ThinkMarkets TF GLOBAL MARKETS (AUST) PTY LTD 424700 あり あり
Axi AXICORP FINANCIAL SERVICES PTY LTD 318232 あり あり
TMGM TRADEMAX AUSTRALIA LIMITED 436416 あり あり
Vantage VANTAGE GLOBAL PRIME PTY LTD 428901 あり あり
GO Markets GO MARKETS PTY LTD 254963 あり あり
Eightcap EIGHTCAP PTY LTD 391441 あり あり
Fusion Markets FMGP TRADING GROUP PTY LTD 385620 あり あり
easyMarkets EASYMARKETS PTY LTD 246566 あり あり
ACY Securities ACY SECURITIES PTY LTD 403863 あり あり
OANDA OANDA AUSTRALIA PTY LTD 412981 あり あり
IG IG AUSTRALIA PTY LTD 515106 あり あり
CMC Markets CMC MARKETS ASIA PACIFIC PTY LTD 238054 あり デリバティブのみ
Plus500 PLUS500AU PTY. LTD. 417727 あり あり

日本で名前をよく見るXMとExnessは、6,526件の法人名を検索した限りでは見つかりませんでした。ただこれ、悪い話ではないんですよ。単にオーストラリアでは営業していないというだけなんですよね。両社ともセーシェルやキプロスなど別の国のライセンスで動いているので、「豪州の登録簿に載っていない=問題がある」ではありません。そこは混同しないでほしいところです。

XS.comだけ結果が違った

今回いちばん面白かったのがXSでした。XSグループにはXS PRIME LTD(AFSL 374409、2010年9月13日登録)という豪州法人があるんですけど、条件欄を全文読むと様子が違うんですよ。

条件欄は1,170文字あって、助言・取扱い・カストディまで項目はひと通り並んでいます。ところが、そこに書かれている顧客区分が15箇所すべて「Wholesale clients(プロ・法人顧客)」で、retailという単語が1回も出てこないんですよね。しかもマーケットメイクの項目自体がありません。

つまりこのASICライセンスは、個人トレーダー向けのものじゃないということなんですよ。XSで日本の個人が口座を開くときの契約相手は別の法人(セーシェルのXS Ltd)なので、「ASIC認可」という表記だけ見て「自分の口座も豪州の規制下なんだな」と受け取ると、そこはズレます。

ちなみにXS Prime LtdはABN Lookup側に商号の登録が無くて、ブランドとの紐付けだけは登録簿から確認できなかったんですよね。なのでXS公式の規制情報ページを直接見に行ったら、「XS Prime Ltd、Company Number 141 194 934、ASIC 374409」と明記されていて、CSVの法人番号とぴったり一致しました。こういうときは業者側の開示で突き合わせるしかないです。

落とし穴その2:条件欄のフォーマットが2種類ある

これ、気づかないと集計を丸ごと間違えます。条件欄の書式が実は2パターン混ざってるんですよ。文章形式が5,671件、表形式が855件。

文章形式は「This licence authorises the licensee to…」で始まって、最後に「to retail and wholesale clients」と顧客区分がまとめて書いてあるタイプ。一方の表形式は項目ごとに顧客区分が付いていて、使われている単語自体も違うんですよね。

たとえば「発行」を意味する語は、文章形式だとissuing、表形式だとIssue。単純にissuingで検索すると表形式の855件が丸ごと抜け落ちます。私は最初これでIC Marketsを「発行の認可なし」と誤判定しかけました。両方の書式を確認してから数えるのが大事なんですよ。

落とし穴その3:「Foreign exchange contracts」はFX CFDのことではない

そしてこれが一番大きい注意点なんですけど、ASICの分類では「Foreign exchange contracts」と「Derivatives」は別カテゴリなんですよね。

前者は為替の現物・先渡しに近い契約で、私たちが海外FXでやっているレバレッジ取引(FX CFD)は、基本的に後者のDerivatives(デリバティブ)のほうに入ります。だから「Foreign exchange contractsの認可が無い」からといって、個人向けにFXを提供できないわけじゃないんですよ。

実際、表のCMC Marketsがそのケースでした。マーケットメイクの認可はDerivativesにだけ付いていて、Foreign exchange contractsには付いていないんですよね。片方だけ見て判断すると読み間違えます。ちなみにDerivatives側の数字も出しておくと、認可保有が2,433件、retail記載が1,065件、マーケットメイクが235件でした。

おまけ:1つの法人が複数ブランドを持っている

商号を片っ端から引いていたら、思わぬ発見がありました。別ブランドに見える業者が、同じ法人・同じAFSL番号だったケースがあるんですよ。

  • FMGP TRADING GROUP PTY LTD(AFSL 385620):商号として「Fusion Markets」と「Global Prime」の両方を登録。別会社だと思ってた人、多いんじゃないでしょうか
  • GO MARKETS PTY LTD(AFSL 254963):「Radex Markets」「Share Smart」ほか複数の商号を登録
  • ACY SECURITIES PTY LTD(AFSL 403863):「Synergy FX」「Blueberry Markets Group」などを登録

これ自体は珍しいことでも怪しいことでもなくて、豪州ではごく普通の商号登録なんですけど、「複数の業者に資金を分散したつもりが、実は同じ法人だった」ということは起こり得るんですよね。分散のつもりでやるなら、AFSL番号まで見ておくと確実だと思います。

注意

この記事の数字は2026年9月23日更新版のCSVを自分で集計したものです。CSVは毎週木曜に更新されるので、確認するときは必ず最新版を落とし直してください。また、商号登録があることと、そのブランドが現在そのライセンスで運営されていることは別の話です。最終的な契約条件は必ず各社の公式サイトでご確認ください。

「登録が無い=悪い業者」ではないという話

念のためもう一度書いておきますね。豪州の登録簿に無いのは、単にその国で営業していないだけなんですよ。逆に「登録がある」ことも、それだけで安全を保証するものではないんですよね。XSの例がまさにそうで、登録はあるけど個人向けじゃなかったわけです。

大事なのは、自分が実際に契約する法人がどのライセンスの下にいて、その条件欄に自分(個人顧客)が含まれているかどうか。そこを確かめる手順は、この記事の通りやれば誰でも再現できます。CSVを落として、ABN Lookupで商号から法人名を引いて、条件欄でretailを探す。慣れれば10分かからないんですよ。人の評判を読むより、たぶんこっちのほうが早いです。

FX取引はレバレッジを用いた取引であり、預けた資金(元本)を上回る損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。取引を行う際は自己責任・余裕資金の範囲で行い、各社公式サイトで最新のリスク説明書・規約を必ずご確認ください。

まとめ

初心者の方へ:まずは「ブランド名と契約する法人名は別物」というところだけ押さえておけば十分だと思うんですよね。使っている業者の名前をABN Lookupに入れてみて、法人名が出てくるかどうか。それだけでも見え方がかなり変わるはずです。

中上級者の方へ:CSVを落としてしまえば条件欄の全文検索ができるので、マーケットメイクの有無や顧客区分まで一気に比較できます。複数業者を使い分けている人は、AFSL番号が重複していないか一度チェックしてみてください。分散したつもりが同じ法人だった、というのは普通にあり得ますから。

次は他の国の登録簿でも同じことができないか試してみたいと思っています。当局サイトが重くて使いにくいときほど、オープンデータ側に全件データが転がっていたりするんですよね。