「★5」より「★2」のほうが動いた週|10/26〜31の指標57件を、過去36週の実測pipsで並べ替えたら順位が4割入れ替わった

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来週(2026年10月26日〜31日)の経済指標カレンダーを開いたとき、正直ちょっと笑ってしまったんですよね。中央銀行の政策金利発表が5行ぶん詰まってるんですよ。NZ中銀、カナダ中銀、FOMC、ECB、日銀。しかも最初のNZ中銀から4行目のECBまで、たった36時間15分しかありません。

で、こういう週になると「★が多いところだけチェックしておこう」ってやりがちじゃないですか。私もずっとそうしてました。でもこれ、本当に機能してるのかな、と前から引っかかってたんですよね。

というのも、★は「経済指標としての重要度」を表していて、「ドル円が何pips動くか」を表しているわけじゃないからです。この2つは一致するとは限らないですよね。

そこで今回は、来週の指標57件を★の数ではなく「その指標が過去に実際どれだけドル円を動かしたか」で並べ替えてみました。結果から言うと、順位がけっこう入れ替わります。

数え方:みんかぶFXの36週分を全部落として自前集計した

使ったのはみんかぶFXの経済指標カレンダーです。このページ、地味にすごくて、各指標の行に「前回ドル円変動幅」という列が付いてるんですよ。ページの注記によると、これは「前回の発表から10分後にドル円が何pips動いたか」という定義です。

つまりこの列を週をまたいで集めていけば、指標ごとの「実際に動かした履歴」が作れるんですよね。というわけで2026年2月23日の週から10月31日の週まで、36週分のページをまるごと取得して集計しました。

POINT

36週・2,826行 → 発表イベント1,659件に畳み、219系列・実測1,610件を集計しました。全体の変動幅の中央値は3.5pips(平均5.3pips)。つまり「指標が出ても、ふつうは3.5pipsくらいしか動かない」というのが地の数字です。

この3.5pipsという地の数字を頭に入れておくと、以下の表の見え方が変わると思います。

週間カレンダーの一部の行だけをマーカーで塗り分けている様子
57件のうち、本当に構えるべき行はどれなのか。★ではなく実測で塗り分けてみました

来週の57件を、実測変動幅の大きい順に並べ替えた

来週は発表イベントが57件(内訳は★5が3件・★4が11件・★3が22件・★2が16件・★1が5件)。このうち56件は過去の実測が3件以上あったので、中央値で並べ替えられました。

上位はこうなります。「n」は過去36週で拾えた実測の件数、「中央値」「最大」はそのときのドル円の変動幅(絶対値)です。

日時(日本時間) 指標 ★ n 中央値 最大
10/29(木) 03:00 米 FOMC政策金利 ★5 6 21.4pips 28.1pips
10/30(金) 時刻未定 日銀 政策金利 ★4 5 20.1pips 48.3pips
10/30(金) 19:00 ユーロ圏 GDP速報 ★4 3 13.1pips 17.8pips
10/29(木) 21:30 米 実質GDP速報(第3四半期) ★5 3 12.0pips 22.3pips
10/30(金) 21:30 米 雇用コスト指数 ★4 3 12.0pips 15.5pips
10/29(木) 21:30 米 PCE価格指数 ★4 9 10.1pips 19.1pips
10/30(金) 19:00 ユーロ圏 雇用統計 ★3 9 8.6pips 28.8pips
10/30(金) 22:45 米 シカゴPMI ★3 9 8.5pips 19.5pips
10/30(金) 09:30 豪 生産者物価指数 ★2 3 7.3pips 9.3pips
10/30(金) 08:30 日本 東京消費者物価指数 ★2 9 7.1pips 22.2pips

ここで注目してほしいのが、★2の豪PPIと東京CPIが10位以内に入っていることなんですよ。そして★5のECB政策金利は、この表に入っていません。

記者会見用の演台とマイク
来週は中銀5行。ただしドル円が反応する量は、5行で13倍以上違いました

★5のECBは5.0pips、★2の東京CPIは7.1pips

来週の★5は3件あります。FOMC・米GDP速報・ECB政策金利。このうちECBだけ、実測の中央値が5.0pipsなんですよね。さっきの★2の東京CPI(7.1pips)より小さいんですよ。

これ、別にECBが大したことない中銀という話じゃなくて、ECBが動かすのは主にユーロであって、ドル円じゃないというだけの話だと思います。ドル円でトレードしている人にとっては「重要度」と「自分のチャートが動く量」がズレる、ということですね。

中銀5行を実測で並べると、差がはっきり出ます。

発表(日本時間) ★ n 実測の中央値 実測の最大
10/29(木) 03:00 FOMC ★5 6 21.4pips 28.1pips
10/30(金) 未定 日銀 ★4 5 20.1pips 48.3pips
10/29(木) 22:15 ECB ★5 6 5.0pips 28.6pips
10/28(水) 22:45 カナダ中銀 ★3 6 2.6pips 13.0pips
10/28(水) 10:00 NZ中銀 ★4 5 1.5pips 6.0pips

同じ★4でも、日銀は20.1pips、NZ中銀は1.5pips。13倍以上の開きがあります。「★4だから一応構えておく」という運用だと、この2つが同じ扱いになっちゃうんですよね。粒度が粗すぎるというか。

ちなみに★ごとにまとめると、来週のイベントはこうなっています。

★ 件数 実測中央値の代表値 最小〜最大
★5 3件 12.0pips 5.0 〜 21.4
★4 10件 5.8pips 1.5 〜 20.1
★3 22件 2.8pips 1.1 〜 10.1
★2 16件 2.9pips 0.9 〜 7.3
★1 5件 1.3pips 0.9 〜 2.8

★が機能していないわけではないんですよ。★5と★1を比べれば、12.0pipsと1.3pipsできれいに差が出ています。ただ、★2(2.9pips)と★3(2.8pips)はほぼ同じで、ここは区別する意味がなさそうです。そして同じ★のなかの幅が大きすぎるので、★だけで身構える相手を決めるのは無理があります。

実際、「実測の大きい順TOP10」と「★の多い順TOP10」を比べると、一致したのは6件だけでした(TOP5なら4件一致)。4割は入れ替わる計算です。

木曜21:30に、米国の指標が4本まとめて出る

もうひとつ、来週のカレンダーで目についたのがこれなんですけど。

10月29日(木)21:30に、アメリカの発表が4本、同じ分に並んでいます。実質GDP速報(★5)・PCE価格指数(★4)・個人所得/支出(★3)・新規失業保険申請件数(★3)。全部同時です。

これ、結果が出たあとに「どれで動いたのか」を切り分けるのが相当きついんですよね。GDPが強くてPCEが弱かったら、チャートはどっちを見て動いたのか分からない。前に経済指標の同時発表を31週ぶん数えた記事でも触れたんですけど、同じ分に複数の発表が乗るのは全然珍しくなくて、来週も35スロット中11スロット(31.4%)が複数発表になっています。

しかも木曜は、朝3時にFOMCがあって、夜21:30にこの4本があって、22:15にECBです。1日に実測中央値10pips超の発表が4つ乗っている計算になります。

一番動く日銀が「時刻未定」という罠

注意

来週の実測2位(中央値20.1pips・最大48.3pips)である日銀の政策金利発表は、カレンダー上「時刻未定」です。日銀は発表時刻を事前に確定させないので、昼前後のどこかで突然出ます。来週は他にも5件、時刻未定のイベントがあります。

これ、地味にいちばん実務的な話かもしれません。一番動く可能性がある発表に、カウントダウンが用意されていないんですよ。指標発表の前にポジションを整理する運用をしている人は、金曜の午前中はずっと「いつ来てもいい状態」にしておくしかないんですよね。

なお日銀の金融政策決定会合は10月29日(木)・30日(金)の2日間で、公表は30日です(日本銀行の公表日程で確認しました)。FOMCは10月27日・28日(FRBの会合日程で確認)、ECB理事会は10月28日・29日(ECBの日程ページで確認)で、いずれも一次ソースと一致しています。

おまけ:FOMCが「日本時間3時」なのは今回が最後

来週のFOMCは日本時間10月29日(木)03:00です。声明は米東部時間14:00に出るので、夏時間だと日本時間の深夜3時になるんですよね。

で、アメリカの夏時間は2026年11月1日(日)に終わります。これはIANAのタイムゾーンデータベースにRule US 2007 max - Nov Sun>=1と書かれているルールから計算した日付です。

つまり次回12月のFOMC(12月8〜9日の会合)は、日本時間12月10日(木)の04:00になります。1時間後ろにズレるので、「3時にアラームをかける」という習慣のままだと1時間早起きすることになりますね。

じゃあ来週どう使うのか

ここまで数えてみて、私なりに整理したのはこんな感じです。

POINT

① ★は★5と★1を分けるには使えるが、★2と★3の区別には使えない。② 同じ★のなかの幅が13倍以上あるので、最終的には「その指標が自分の通貨ペアを過去どれだけ動かしたか」で判断するほうが素直。③ 来週ドル円で特に見るべきは木曜03:00のFOMC・木曜21:30の米GDP/PCE・金曜(時刻未定)の日銀の3つ。

ひとつ強調しておきたいんですけど、これは「来週こう動く」という話ではありません。あくまで「過去の同じ指標のときに何pips動いたか」の記録です。nが3〜6件しかない系列も多いので、サンプルとしても決して厚くないんですよね。FOMCですら実測6件です。

それでも、「★4だから身構える」より「過去20pips動いてるから身構える」のほうが、根拠としては一段マシだと思うんですよ。少なくとも自分が何を基準に警戒しているのかがはっきりします。

変動が大きい週に効いてくる口座まわりの話

こういう週で地味に効いてくるのが、スプレッドの広がり方と約定の挙動なんですよね。指標発表の瞬間はどの業者でもスプレッドが開きますし、ストップが滑ることもあります。これは業者の良し悪しというより、仕組み上どうしてもそうなる部分です。

複数の情報源で確認した限りでは、Exnessは低スプレッド帯の口座タイプを用意していて、スキャルピングや短期売買の層に向いた設計になっているようです。ただし条件は口座タイプごとに違いますし、キャンペーンや仕様の変更もあるので、最新は必ず公式サイトで確認してください。

FX取引はレバレッジを用いた取引であり、預けた資金(元本)を上回る損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。取引を行う際は自己責任・余裕資金の範囲で行い、各社公式サイトで最新のリスク説明書・規約を必ずご確認ください。

まとめ

来週(10/26〜31)は中央銀行が5行、発表イベントは57件。カレンダーの★だけ見ると★5が3件・★4が11件で「忙しい週だな」で終わるんですけど、過去36週・実測1,610件で並べ替えると見え方が変わりました。

  • 指標が出ても、ふつうは3.5pips(中央値)しか動かない
  • 来週の実測トップはFOMC(21.4pips)と日銀(20.1pips・最大48.3pips)
  • ★5のECBは5.0pipsで、★2の東京CPI(7.1pips)より小さい
  • 同じ★4のなかに20.1pipsと1.5pipsが同居している(13倍以上の開き)
  • 実測TOP10と★TOP10は6件しか一致しない
  • 木曜21:30に米国の発表が4本同時。一番動く日銀は時刻未定
  • 米夏時間は11/1で終了。12月のFOMCは日本時間04:00にズレる

★を見るのをやめようという話ではなくて、★で絞り込んだあとに「で、この指標は自分の通貨ペアを過去どれだけ動かしたの?」を一回確認するだけで、構える相手がだいぶ絞れるんじゃないかと思います。来週みたいに全部が重なる週ほど、この一手間が効いてくる気がしますね。

集計に使ったスクリプトはリポジトリに置いてあるので、同じ方法で別の週や別の通貨ペアでも数え直せます。