【2026年10月2日】東京都区部CPIコアが1.8%→2.7%に急加速。でも跳ねた0.9ポイントの7割は「1年前の下落」だった

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おはようございます、瀬名ハルカです。今朝8時30分に出た東京都区部の消費者物価指数(2026年9月分・中旬速報値)が、けっこうな数字になってたんですよね。生鮮食品を除くコアが前年同月比プラス2.7%。前の月が1.8%だったので、1か月で0.9ポイントのジャンプです。

ニュースの見出しだけ見ると「インフレ再加速か」って感じなんですけど、中身を自分で計算してみたら、ちょっと印象が変わりました。跳ねた0.9ポイントのうち、約7割は「今月上がった」ではなく「1年前に下がっていた」ことによるものだったんですよ。

今日は、この数字の分解と、ここから3週間後に出る全国CPIがどのくらいになりそうか、そして10月の日程がどう組まれているかを、総務省統計局の一次データだけで確かめていきます。

まず、今朝出た数字を並べておく

出典は総務省統計局が本日公表した「2025年基準 消費者物価指数 東京都区部 2026年(令和8年)9月分(中旬速報値)」です。PDFの表1をそのまま拾いました。

指数 2026年9月 前年同月比 前月(8月)の前年比
総合 102.5 +2.7% +1.9%
生鮮食品を除く総合(コア) 102.6 +2.7% +1.8%
生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコア) 103.0 +3.0% +2.0%

みんかぶFXの経済指標カレンダーに出ていた市場予想はコアで2.4%だったので、そこからは0.3ポイントの上振れですね。ただ予想値は情報源によって割れることがあるので、ここは「1つのソースではこうだった」くらいで受け取ってください。実績値のほうは統計局のPDFで直接確認しているので、こちらは確定です。

ちなみに同じ8時30分には8月の完全失業率2.5%(前回2.4%)と有効求人倍率1.18倍、8時50分には9月のマネタリーベース前年比マイナス15.2%も出ています。日本の朝は指標が固まって出てくるんですよね。

跳ねた0.9ポイントを、2つに割ってみた

前年同月比って「今月の指数 ÷ 1年前の同じ月の指数」なので、今月が上がっても、1年前が下がっていても、同じように数字は大きくなります。ここを分けないと話が始まらないと思って、統計局が公開している月次CSV(東京都区部・2025年基準)から原数値を取って引き算しました。

項目 前月比(原数値)
今年: 2026年8月 → 9月 +0.272%
前年: 2025年8月 → 9月 −0.651%

前年同月比の変化は +1.79% → +2.73% で、ちょうど0.945ポイントの拡大。その内訳が「今年の上昇ぶんが0.27ポイント」「前年の下落ぶんが0.65ポイント」です。

POINT

東京コアCPIが1.8%→2.7%に跳ねた0.9ポイントのうち、約71%は1年前(2025年9月)に東京の物価が下がっていたことによる押し上げ。今年9月そのものの上昇は0.27%でした。

しかもこれ、私の勝手な解釈じゃなくて、統計局自身が同じことを書いてるんですよ。速報PDFの3ページ目に「寄与度差」という欄があって、コアの上昇幅0.9ポイント拡大の内訳がこうなっています。

項目 上昇幅への寄与度差 その項目の前年同月比
保育所保育料 +0.29pt −100.0%
水道料 +0.24pt +65.6%
宿泊料 +0.12pt +4.6%
家庭用耐久財 +0.04pt +5.9%
外国パック旅行費 +0.04pt +23.5%

上の2つだけで0.53ポイント。水道料が前年同月比プラス65.6%って異常な数字に見えますけど、これは1年前に料金が大きく下がっていた反動で、保育所保育料のマイナス100%も「1年前に無償化された状態が続いている」という意味なんですよね。つまりどちらも「去年の特殊要因が統計から外れていく過程」で出ている数字です。

じゃあ全国CPIはどのくらいになりそうなのか

東京都区部CPIが注目されるのは、全国CPIより約3週間早く出る先行指標だからです。実際どのくらい当たるのか、公表値ベースで並べてみました。2025年基準に切り替わってから揃っている12か月分です。

月 東京コア 全国コア 差(東京−全国)
2025年9月 2.5% 2.9% −0.4pt
2025年10月 2.8% 3.0% −0.2pt
2025年11月 2.8% 3.0% −0.2pt
2025年12月 2.3% 2.4% −0.1pt
2026年1月 2.0% 1.9% +0.1pt
2026年2月 1.9% 1.5% +0.4pt
2026年3月 1.8% 1.7% +0.1pt
2026年4月 1.4% 1.4% 0.0pt
2026年5月 1.2% 1.4% −0.2pt
2026年6月 1.5% 1.6% −0.1pt
2026年7月 1.7% 1.8% −0.1pt
2026年8月 1.8% 1.7% +0.1pt

差の中央値はマイナス0.1ポイント、12か月中10か月は差が±0.2ポイント以内に収まっています。いちばん離れた2026年2月でも0.4ポイント。思ってたより素直に付いてくるんですよね。

この関係をそのまま今朝の2.7%に当てはめると、10月23日に出る全国9月コアは2.8%前後(過去12か月の最大・最小で挟めば2.3〜3.1%)というあたりが一応の目安になります。ただし。

注意

今回押し上げている保育所保育料・水道料は東京都区部の指数で効いている項目です。全国8月分の資料には、この2つは主な寄与項目として出てきません。今回に限っては、東京と全国の差が過去12か月より開く可能性があります。上の目安は「過去の関係をそのまま当てた場合」であって、予測ではありません。

統計資料の表と電卓を使って指標の数字を集計している様子

カレンダーを並べると、10月30日がやたら重い

ここから先の日程は、統計局の公表予定(e-Stat連携のXML)と日銀サイトの会合日程で確認できます。両方とも一次ソースで取れるので、まとめて並べるとこうなるんですよ。

日付 曜日 内容
10月23日 金 全国CPI 2026年9月分(8:30)
10月29日 木 日銀 金融政策決定会合 1日目
10月30日 金 東京都区部CPI 10月分(8:30)/日銀 会合結果+展望レポート/10月最後の営業日

10月30日に3つ重なってるんですよね。会合2日目の朝8時30分に東京の10月CPIが出て、その数時間後に政策の結果と展望レポートが出る。しかも10月31日は土曜日なので、この日が10月最終営業日でもあります。月末はもともと実需の売買が出やすいと言われる日なので、そこに材料が乗っかる形です。

ちなみに10月12日(月)は日本の「スポーツの日」(内閣府の祝日CSVで確認済み)。この日は東京市場が休みなので、週明けの流動性も普段とは違います。

日本のCPIは「ロールオーバーの2時間半後」に来る

これは取引条件側の話なんですけど、見落とされがちだと思うので書いておきます。海外FX業者のロールオーバー(スワップの付与とポジションの日付切り替え)はニューヨーククローズ基準です。今は米国が夏時間なので、日本時間の朝6時台がその境目になります。

一方、日本のCPIは東京都区部も全国も8時30分発表で固定。つまり並びとしては「寝ている間にスワップが付く → その2時間半後に日本のインフレ指標が出る」なんですよ。

POINT

金曜の夜に持ち越したつもりのポジションが、翌営業日の朝イチで指標イベントを迎えるという並びになりやすいのが日本の指標の特徴です。「日跨ぎのつもりが指標トレードになっていた」を避けるには、ポジションを持ち越す前にカレンダーの8時30分を見ておくのが確実だと思います。

この時間帯は東京時間の朝で、ロンドン勢もニューヨーク勢もまだいません。板が薄い時間に材料が出ると値が飛びやすい、というのは一般論としてよく言われるところです。スプレッドの広がり方は業者・口座タイプによって違うので、気になる人は自分の口座で発表前後のスプレッドを実際に記録してみるのがいちばん早いです。

今夜21時30分の米雇用統計と、来週の予定

そして今日はこれで終わりじゃなくて、日本時間21時30分に米雇用統計(2026年9月分)が控えてます。みんかぶFXのカレンダーに載っている市場予想はこうなっています。

項目 前回 予想
非農業部門雇用者数 16.2万人 9.5万人
失業率 4.1% 4.1%
平均時給(前月比) +0.3% +0.3%
平均時給(前年比) +3.1% +3.2%

来週以降だと、10月5日(月)23時のISM非製造業景気指数(予想55.0/前回55.4)、10月6日(火)21時30分の米貿易収支、そして10月8日(木)の日本時間3時に9月分のFOMC議事録が出ます。議事録は結果が動かない代わりに「中で何を議論していたか」が分かるやつですね。日本側は10月8日8時50分に8月の国際収支が出ます。

指標が多い時期って、エントリーの判断より「持ち越すかどうか」の判断のほうが効いてくるんですよね。スプレッドやスワップの条件を見直すなら、こういうタイミングが向いてると個人的には思います。

FX取引はレバレッジを用いた取引であり、預けた資金(元本)を上回る損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。取引を行う際は自己責任・余裕資金の範囲で行い、各社公式サイトで最新のリスク説明書・規約を必ずご確認ください。

まとめ

  • 東京都区部コアCPIは2026年9月分で前年同月比+2.7%(前月+1.8%)。市場予想(みんかぶFX掲載)は2.4%だった
  • 跳ねた0.9ポイントのうち約71%は1年前の下落による押し上げ。今年9月そのものの上昇は+0.27%
  • 統計局の寄与度差でも、保育所保育料(+0.29pt)と水道料(+0.24pt)という「去年の特殊要因の剥落」で0.53ポイントを説明できる
  • 東京コアと全国コアの差は12か月中10か月で±0.2ポイント以内。ただし今回は東京固有の項目が効いているので差が開く可能性あり
  • 10月23日に全国9月CPI、10月30日に東京10月CPI+日銀会合結果+月末最終営業日が重なる

数字そのものより、「その数字がどこから来ているか」を分けて見る癖をつけると、見出しに振り回されにくくなると思うんですよね。今回みたいに、同じ2.7%でも中身が「今年の値上がり」なのか「去年の反動」なのかで意味がぜんぜん違うので。

今夜の米雇用統計の結果と反応については、また別の記事で触れる予定です。今日のところは数字が出る前なので、方向を決め打ちせずに見ていきます。

最後にもう一度だけ。この記事に書いた数値は執筆時点(2026年10月2日)で確認できた公表資料に基づくものです。最新の数値・日程は総務省統計局と日本銀行の公式サイトで必ず確認してください。