年末年始って、毎年なんとなく「流動性が薄いから気をつけよう」くらいの話で終わっちゃうんですよね。私も去年まではそうでした。でも実際に困るのって、もっと具体的な話じゃないですか。「結局どの日がどこの市場の休みなの?」「スワップが何倍付く日はいつ?」という。
で、この手の情報って12月下旬になってからまとめ記事が出回るんですけど、そのときにはもうポジションの組み方を考え直す時間が無いんですよ。だから今年は11月のうちに、自分で一次ソースから組んでおくことにしました。
使ったのは3つだけです。日本は内閣府の祝日CSV、米国はFRBのK.8(連邦準備制度の休日表)、英国はgov.ukのbank-holidays.json。全部その国の公的機関が機械可読な形で公開しているので、まとめサイトを経由せずに直接数えられるんですよね。
まず結論:2026年末〜2027年始で「止まる」のは5日だけ
調べてみて正直いちばん意外だったのが、2026年12月は日本の祝日が1日も無いということでした。天皇誕生日が2月に移ってから12月は祝日ゼロなんですけど、言われてみないと気づかないんですよね。
じゃあ日本市場はいつ止まるのかというと、12月31日です。ただこれ、祝日じゃないんですよ。銀行法施行令の第5条に「十二月三十一日から翌年の一月三日までの日」が銀行の休日として直接書いてあって、そっちが根拠なんです。カレンダーの赤い日を探しても出てこないので、祝日リストだけ見ていると取りこぼします。
その3つを突き合わせて、平日のうち「どこかの市場が休んでいる日」を全部拾うとこうなりました。
| 日付 | 曜日 | 日本 | 米国 | 英国 | 休場 |
|---|---|---|---|---|---|
| 12/21〜12/24 | 月〜木 | 営業 | 営業 | 営業 | 0/3 |
| 12/25 | 金 | 営業 | 休 | 休 | 2/3 |
| 12/28 | 月 | 営業 | 営業 | 休 | 1/3 |
| 12/29〜12/30 | 火〜水 | 営業 | 営業 | 営業 | 0/3 |
| 12/31 | 木 | 休 | 営業 | 営業 | 1/3 |
| 1/1 | 金 | 休 | 休 | 休 | 3/3 |
| 1/4〜1/8 | 月〜金 | 営業 | 営業 | 営業 | 0/3 |
| 1/11 | 月 | 休 | 営業 | 営業 | 1/3 |
意外とスカスカなんですよね。年末年始って1週間まるごと死んでるイメージがあったんですけど、全市場が同時に止まるのは1月1日(金)の1日だけでした。
そして個人的にいちばん見落としやすいと思ったのが12月28日(月)です。この日は英国だけが休みで、日本も米国も普通に営業しています。ボクシングデー(12/26)が土曜なので、その振替で月曜が休みになるんですよ。ポンド絡みのペアだけ流動性が落ちる、ちょっと歪な月曜になります。
POINT
今回は米国の「振替休日」が一切発生しない、珍しく素直な年でした。12/25も1/1も両方とも金曜に当たるからです。FRBのK.8には「土曜に当たる祝日は連銀は前日の金曜も開く(休むのは理事会だけ)」「日曜に当たる祝日は翌月曜に全部門が休む」という非対称なルールが脚注で明記されていて、実際1年後の2027年末はクリスマスが土曜なので、K.8の脚注に12/24と12/31がわざわざ名指しで入っています。まとめサイトのリストが勝手に振替を足しているケースがあるので、ここは一次ソースで数えた方が安全なんですよね。
本題:スワップが「何日分」付くかは通貨ペアごとに違う
ここからが今回いちばん書きたかったところです。
FXのスワップって、ポジションを持ち越した日数ぶんじゃなくて「受渡日(バリューデート)が何日進んだか」で決まるんですよね。受渡日は取引日の2営業日後(T+2)。で、この営業日の判定が曲者で、その通貨ペアを構成する2つの通貨の、どちらか一方でも休みなら営業日としてカウントされません。AND条件じゃなくてOR条件で除外するんです。
つまり同じ週でも、ペアによって使う休場日の集合が違うので、スワップが跳ねる日もバラバラになるんですよ。実際に数えてみたらこうなりました。
| 取引日 | USD/JPY | GBP/JPY | GBP/USD |
|---|---|---|---|
| 12/22(火) | 4日分 | 5日分 | 5日分 |
| 12/24(木) | 1日分 | 5日分 | 1日分 |
| 12/28(月) | 5日分 | ―(英休場) | ―(英休場) |
| 12/29(火) | 1日分 | 1日分 | 4日分 |
| 1/6(水) | 4日分 | 4日分 | 3日分 |
見てのとおり、最大の5日分が付く日が3ペアで全然揃っていないんですよね。USD/JPYは12月28日(月)、GBP/JPYは12月22日(火)と24日(木)の2回、GBP/USDは12月22日(火)。「年末は水曜じゃなくて別の日が3倍デーになる」くらいの認識だと、普通にズレます。
ちなみに通常の週は5回のロールで合計7日分なんですけど、12/21〜1/8の期間だとUSD/JPYが12回のロールで22日分。GBP/JPYにいたってはロール回数が11回と1回少ないのに、合計は同じ22日分でした。12/28が英国休場でロール自体が飛ぶぶん、その前後に厚く乗っているという構造です。
注意
ここで計算したのは「何日分が付くか」という日数だけで、金額の話は一切していません。スワップはプラスにもマイナスにもなりますし、年末年始は多くの業者がスプレッドを広げます。5日分付くということは、マイナススワップのポジションなら5日分引かれるということでもあるんですよね。「3倍デーを狙う」のような発想ではなく、「想定外の日に想定外の日数が乗らないよう事前に把握しておく」という使い方をおすすめします。なお付与日数の扱いは業者ごとに差があるので、最終的には必ず利用先の公式情報を確認してください。
POINT
この表を作っていて自分でもハッとしたのが、1月6日(水)が4日分になっている点です。通常の水曜は3日分なんですけど、1月11日が成人の日で日本が休みなので、その1日ぶんが1月6日のロールに前倒しで乗ってくるんですよ。年末年始の表を12月31日で締めてしまうと、この成人の日の影響を丸ごと見落とします。私は最初12月だけで表を作って満足しかけたんですけど、念のため1月中旬まで伸ばしてみて気づきました。表を作るときは、年明けの最初の祝日の先まで数えておいた方がいいと思います。
この時期に業者を見るなら、どこを見るか
年末年始に関して言うと、業者選びで効いてくるのは「スワップが高いかどうか」よりも開示の丁寧さだと個人的には思っています。というのも、この時期は取引時間の変更やスプレッドの拡大が入るので、そのアナウンスが事前にきちんと出るかどうかで対応のしやすさが全然違うんですよね。
あとはスワップ計算方式がどうなっているか。同じ「3日分」でも、業者によって水曜に寄せるのか金曜に寄せるのかが違いますし、MT5の設定次第で表示される数字の意味自体が変わります。そのあたりを口座のスペック表できちんと出している業者の方が、こういう時期は扱いやすいです。
スキャルピング寄りの条件で探している人だと、Exnessあたりは取引条件まわりの情報開示が比較的細かい方なので、年末年始の条件変更を確認する先としては見やすい部類だと感じています。
自分で数え直したい人へ
今回使った3つのソースは、どれも登録不要・無料でそのまま落とせます。内閣府の祝日CSVだけ文字コードがShift_JISなので変換が要るんですけど、それ以外はJSONとHTMLの表なので扱いは簡単なんですよ。
営業日の定義さえ「平日、かつどちらの通貨の国でも祝日じゃない」でOR除外にしておけば、受渡日の計算自体は20行くらいのスクリプトで済みます。ユーロ圏(TARGET2)の休場日だけは今回一次ソースを取り切れなかったので、ユーロ絡みのペアは別途確認が必要です。そこだけは正直に書いておきます。
FX取引はレバレッジを用いた取引であり、預けた資金(元本)を上回る損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。取引を行う際は自己責任・余裕資金の範囲で行い、各社公式サイトで最新のリスク説明書・規約を必ずご確認ください。
まとめ
- 2026年12月は日本の祝日がゼロ。日本が止まる12/31は祝日ではなく銀行法施行令5条が根拠
- 平日で全市場が同時に止まるのは1月1日(金)の1日だけ
- 12月28日(月)は英国だけ休み。ポンド絡みのペアだけ流動性が落ちる
- スワップ5日分が付く日はペアごとにバラバラ。USD/JPYは12/28、GBP/JPYは12/22と12/24、GBP/USDは12/22
- 1月11日の成人の日が1月6日(水)のロールに前倒しで乗る。表は年明けまで伸ばして作ること
- 米国の振替は今年は一切発生しない(12/25も1/1も金曜のため)
年末年始の話って毎年同じことを繰り返し言われがちなんですけど、日付レベルまで落とすと年によって全然違うんですよね。12月に入る前に一度表にしておくと、持ち越しの判断がだいぶ楽になると思います。
