【2026年9月16〜18日】FOMCの3時間後に「スワップ3倍」が来る週|持ち越しコストを時間割で自前計算

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こんにちは、瀬名ハルカです。

今週(2026年9月14日週)はFOMCと日銀が並ぶ、いわゆる「中央銀行ウィーク」なんですけど、私が個人的に一番気にしているのはそこじゃないんですよね。

FOMCの結果が出る日本時間の木曜3:00から、たった3時間後に「スワップ3倍」のロールオーバーが来る、という時間の並びのほうです。

これ、カレンダーを縦に並べて初めて気づいたんですけど、けっこうエグい重なり方をしてるんですよ。イベントの値動きに気を取られていると、コスト側で静かに削られる。というわけで今回は、相場予想じゃなくて「今週の持ち越しコストの時間割」を自分で計算して整理してみます。

まず、今週の時間割を並べてみる

日本時間(JST)で並べるとこうなります。ここが全部なんですよね。

日時(JST) 何が起きるか
9/16(水)〜9/17(木) FOMC(米連邦公開市場委員会)開催
9/17(木) 3:00頃 FOMC 政策金利発表・声明・ドットチャート
9/17(木) 3:30頃 ウォーシュFRB議長 記者会見
9/17(木) 6:00頃 ロールオーバー(水→木)= スワップ3倍
9/17(木)〜9/18(金) 日銀 金融政策決定会合
9/18(金) 昼頃 日銀 政策金利発表
9/18(金) 15:30頃 植田日銀総裁 記者会見
9/19(土) 早朝 週末クローズ

FOMCの発表から日銀の発表まで、ざっくり33時間。その33時間の入口のところに、スワップ3倍のロールオーバーが挟まっているという構図です。

POINT

FOMCの結果を見てから「よし決済しよう」と思っても、その判断が3時間もたつくと3日分のスワップを踏むことになります。今週に限っては、出口の時刻をイベントの時刻とは別に決めておくのが効くと思うんですよね。

今の相場の位置と、市場が織り込んでいるもの

前提の確認だけ、事実ベースでサクッといきます。

9月11日に出た米8月CPI(消費者物価指数)は、総合が前月比+0.4%(予想通り)・前年比+3.4%(予想・前月ともに+3.4%)。コアが前月比+0.3%で予想の+0.2%を上回り、前年比は+2.4%(前月+2.5%)でした。「加速しているとは言い切れないけど、コアの月次が思ったより粘っこい」という、判断が割れる中身なんですよね。

これを受けて、金利先物が織り込む9月FOMCでの0.25%利上げ確率は72%前後から87%前後へ上昇し、足元では90%近辺という報道もあります。ちなみに9月上旬の時点では6割程度だったので、この2週間でかなり傾いた形です。

ドル円は9月14日午前時点で153円台前半。週前半に152円台まで下げてから154円台後半まで戻す、といった往復のあとで、想定レンジは152.90〜154.30円あたりとされています。

日銀のほうは、市場では0.25%の追加利上げで政策金利が1.25%へという見方が強まっている、と伝えられています。ただし、これはあくまで「市場がそう見ている」という話で、結果を保証するものではありません。私も方向を当てにいくつもりはないので、ここから先はコストの話に絞ります。

なぜ「木曜の早朝6時」が効くのか

スワップポイントって、ポジションを持っているだけで毎日ちょっとずつ増えたり減ったりするやつですよね。あれが付くタイミングがロールオーバーで、海外FXだとだいたいニューヨーククローズ、日本時間の朝6時頃(夏時間。冬時間だと7時頃)です。

で、ここがポイントなんですけど、水曜から木曜にかけてのロールオーバーだけ、土日の2日分がまとめて前倒しで乗ってきて3日分になります。いわゆる「スワップ3倍デー」です。FXの決済が2営業日後(T+2)というルールから来ていて、水曜のロールオーバーで受け渡し日が金曜から月曜へ3日ジャンプするから、というのが理屈なんですよ。

XMもExnessも、FXについてはこの「水曜→木曜が3倍」という運用で共通しています。ただし銘柄によって3倍デーが金曜だったりするので、ゴールドや株価指数CFDを触っている人は自分の口座の仕様を確認しておいたほうがいいです。

夜明けの光が差し込む部屋の机の上で、チャートを表示したノートパソコンが置かれている様子

で、今年の9月16日は水曜日。つまり今週のFOMCは、よりによって「3倍デーのロールオーバーの3時間前」に結果が出る回なんですよね。

3倍スワップをpipsに換算してみる

ここからが本題です。「3倍」って言われてもピンと来ないので、いつも通りpipsに直します。

ドル円1ロット(10万通貨)なら1pips = 1,000円。なので、1日あたりのスワップが仮に−1,000円だったら、それは1pips分のコストと同じ、という換算になります。

各社の実際のスワップ数値は日々変わるうえに、公式サイトから確実に取れるとは限らないので、ここでは「1日あたり◯円だったら」という条件付きの早見表にしておきます。自分の口座の数値を当てはめて読んでください。

1日あたりのスワップ
(ドル円1ロット)
通常日
(1日分)
3倍デー
(3日分)
3倍デーの
pips換算
−500円 −500円 −1,500円 −1.5pips
−1,000円 −1,000円 −3,000円 −3.0pips
−1,500円 −1,500円 −4,500円 −4.5pips
−2,000円 −2,000円 −6,000円 −6.0pips

マイナススワップが1日−1,500円の口座でドル円を1ロット持っていたとすると、木曜の朝6時をまたいだ瞬間に4.5pips分のコストが乗るということです。

これ、単体だと「まあそんなもんか」なんですけど、利確目標との比率で見ると印象が変わるんですよ。

利確目標 3倍スワップ
−4.5pipsが占める割合
10pips 45%
20pips 22.5%
50pips 9%
100pips 4.5%

20pips狙いのトレードで利益の2割強が消えるって、けっこうな話じゃないですか。デイトレ〜スイングの短いレンジで回している人ほど、3倍デーの跨ぎは効いてきます。

しかも早朝はスプレッドも広がっている

ここがこの記事で一番言いたいところなんですけど、「FOMCを見届けてから、朝6時までに決済する」という一見きれいな出口にも、ちゃんとコストがあります。

日本時間の早朝、だいたい5時台〜7時台って、そもそも市場参加者が薄くなってスプレッドが広がりやすい時間帯なんですよね。ドル円で普段0.8〜1.5pips程度の口座でも、この時間帯は数pips単位まで開くことがあります。そこにFOMC直後のボラティリティが乗るわけです。

つまり、木曜の3:00〜6:00という3時間の窓は、「イベント直後で値が飛びやすい」×「時間帯的にスプレッドが広い」という二重苦のゾーンなんですよ。そこを避けようとして6時を回ると、今度は3日分のスワップが乗る。どっちにも料金所があるという構造です。

電卓とノートに手書きの数字を書き並べて計算している手元。背景にチャートを表示したモニター

じゃあどうするか、を4択で並べてみる

正解はないので、コストの内訳だけ並べます。あとは自分の戦い方に合うものを選ぶ、という整理でいいと思うんですよね。

選択肢 追加スワップ スプレッド イベントリスク
A. 9/16(水)の日中に手仕舞う なし 通常 回避
B. FOMC直後(3:00〜6:00)に手仕舞う なし 拡大 被る
C. 6時をまたいで日銀まで持つ 3日分 通常〜拡大 両方被る
D. 日銀も跨いで週末持ち越し 3日分+1日分 金曜クローズ前は拡大 両方+窓開けリスク

Aがいちばんコストは軽いです。ただ「イベントを取りにいく」戦い方をしている人にとっては、そもそも参加しない選択なので好みが分かれるところなんですけど。

個人的には、今週に限ってはBとCの間に「6時」という明確な線があることを意識しておくだけでも違うと感じています。なんとなく持ち続けて気づいたら3日分、というのがいちばんもったいないので。

意外と知られていない:週末持ち越しは「1日分」

ついでに、混同しやすいところを一つ。

金曜から月曜への持ち越しで付くスワップは、3日分ではなく1日分です。土日の分はすでに水曜のロールオーバーで前倒しされているので、金曜に二重取りされることはないんですよ。

「週末を跨ぐと3倍」と覚えている人がたまにいるんですけど、逆なんですよね。3倍が来るのは水曜のロールオーバー(=木曜の早朝)です。上の表でDの追加スワップを「3日分+1日分」と書いたのはそういう意味です。

注意

プラススワップ側(この局面だとドル円ロング)の人にとっては3倍はボーナスに見えます。でも3倍スワップを取りにいくためにFOMCを跨ぐのは、たぶん割に合いません。3日分でも数pips規模なのに対して、FOMC直後の値動きは1円(=100pips)動くことも普通にあります。桁が違うので、スワップを理由にイベントを跨ぐ判断はしないほうが安全だと思うんですよね。

スワップフリー口座を使っている人は、条件から外れていないか確認を

Exnessなどのスワップフリー(イスラム口座)を使っている場合、そもそもこの3倍の話は関係ない……と思いきや、スワップフリーには適用条件があって、銘柄や保有日数によっては対象外になることがあります。

条件から外れているときに3倍デーを跨ぐと、免除されているつもりで3日分乗る、という一番気づきにくいパターンになるんですよ。今週みたいにコストが重なる週こそ、自分の口座がどっちなのか一度見ておく価値があると思います。この話はExnessのスワップフリーは条件付き|外れたときのコストを保有日数と曜日から自前計算で細かく計算してあるので、よかったらそちらもどうぞ。

あと、そもそも「持ち越しコストって何と何の合計なんだっけ」というところは円高局面でドル円ロングを持ち越すと1日いくら?で分解しています。

日銀(9/18)のほうも一言だけ

FOMCの33時間後に日銀です。ここで厄介なのは、日銀は発表時刻が「◯時ちょうど」と決まっていないことなんですよね。だいたい正午前後なんですけど、会合が長引けば後ろにずれます。

「11:45に出るはず」と決め打ちしてポジションを整理する、みたいな組み方は今週はやめておいたほうが無難だと思います。時刻が読めないイベントは、時刻ではなくロットで調整するしかないんですよね。

それと、FOMCの結果を見てから日銀までの33時間は、ドル円にとっては「材料が片方だけ更新された、宙ぶらりんの時間」になります。片側だけの結果で方向を決め打ちすると、翌日にもう片方でひっくり返される。この時間帯こそ、いつもよりロットを軽くしておく判断がありだと思っています。

今後の注目ポイント

  • 9/17(木) 3:00頃 — FOMC結果。金利水準そのものより、ドットチャートで26〜27年の追加利上げ回数がどう描かれるかが見どころとされています
  • 9/17(木) 3:30頃 — ウォーシュFRB議長会見。声明とトーンがズレたときに値が振れやすい時間帯
  • 9/17(木) 6:00頃 — 3倍デーのロールオーバー。ポジションを持ったままここを越えるかどうかの分岐点
  • 9/18(金) 昼頃 — 日銀。市場は0.25%利上げ(1.25%へ)を見込んでいるとされますが、発表時刻は前後します
  • 9/18(金) 15:30頃 — 植田総裁会見

なお、ここに書いた数値やスケジュールは執筆時点(2026年9月14日)に複数の情報源で確認できた範囲のものです。スワップの実額・スプレッド・3倍デーの曜日は口座と銘柄によって違うので、最終的にはご自身の取引口座と各社公式サイトで確認してください。

FX取引はレバレッジを用いた取引であり、預けた資金(元本)を上回る損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。取引を行う際は自己責任・余裕資金の範囲で行い、各社公式サイトで最新のリスク説明書・規約を必ずご確認ください。

まとめ

今週の話を3行に畳むとこうなります。

  • 9/17(木) 3:00にFOMC、その3時間後の6:00頃にスワップ3倍のロールオーバーが来る。今年の9月16日が水曜だったことによる、たまたまの重なり
  • 3倍スワップはドル円1ロットで1.5〜6.0pips相当。20pips狙いなら利益の2割前後が消える計算になる
  • 3:00〜6:00に決済すればスワップは避けられるが、早朝はスプレッドが広い。どっちの出口にも料金所があると理解したうえで、時刻を先に決めておくのが吉

相場がどっちに行くかは私にも分かりません。でも「持っているだけでいくら減るか」は、事前に計算できる数少ない部分なんですよね。予測できないものは軽くして、計算できるものは先に潰しておく。今週みたいな週こそ、その差が出る気がしています。

スワップやスプレッドの条件は業者によってけっこう違うので、自分の使っている口座の数値を一度きちんと確認してみてください。