FXの月末・四半期末は「いつ閉じるか」がすべて|週明けの窓に何円まで耐えられるかを自前計算した早見表

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9月の下旬って、毎年ちょっと落ち着かないんですよね。月末と四半期末が重なるし、日本は連休が入るし、そのうえ週末を2回またぐ。ポジションを持ったままだと「これ、いつ閉じるのが正解なんだ?」って考え込んでしまうんですよ。

で、この手の話って「月末はフローが出るから注意」みたいなフワッとした締め方になりがちじゃないですか。正直、それだと何も決められないんですよね。私が知りたいのは「じゃあ今の自分のポジションは、何円の窓まで耐えられるの?」という具体的な数字のほうなんですよ。

というわけで今回は、9月下旬から10月頭までの日付を全部並べた時間割と、自分の口座が何円の窓まで耐えられるかを逆算する早見表を自前で計算して作ってみました。方向を当てにいく話は一切しません。あくまで「いつ、どれだけ閉じるか」の設計の話です。

まず、9月下旬の日付を全部並べてみる

頭の中だけで考えるとごちゃごちゃするので、カレンダーに落としました。祝日は内閣府が公開している祝日CSVで確認しています(ここは一次ソースが普通に取れるのでありがたい)。

日付 曜日 何がある日か
9/18 金 日銀の金融政策決定会合。この記事を書いている18日の朝時点ではまだ結果は出ていません
9/19〜9/20 土日 市場が閉まる。ここで窓のリスクが乗る
9/21〜9/23 月〜水 敬老の日・国民の休日・秋分の日で日本は5連休。ただし為替市場は普通に開いています
9/25 金 週末入り。次に動かせるのは28日の朝
9/30 水 四半期末。月末フローが出やすい日
10/2 金 米雇用統計(原則として第1金曜)。そのまま週末へ
10/5 月 週明け

こうやって並べると、「連休」と「窓」がまったく別物だということがハッキリするんですよね。ここ、地味に勘違いされがちなポイントだと思っています。

連休中の閑散としたオフィス。日本が休みでも為替市場は動いている

連休だから窓が開く、わけではないんですよ

9/21から9/23は日本の祝日なんですけど、為替市場そのものが止まるのは土日だけです。日本が休んでいる月曜も火曜も水曜も、ロンドンもニューヨークも普通に動いているんですよ。だから連休そのもので窓が開くわけじゃないんですよね。

じゃあ連休で何が変わるのかというと、東京時間の流動性のほうなんですよ。日本の銀行が休みなので仲値が立たないし、国内勢のフローが出てこない。薄い板のまま海外勢の売買だけが乗る時間帯になるので、いつもより値が飛びやすくなる。これは「窓」ではなく「滑りやすさ」の話です。

注意

連休中は「日本時間の昼間なのに値動きが荒い」ということが起きやすいです。逆指値の置き方をいつもと同じにしていると、想定より手前で引っかかることがあります。ここは窓とは別のリスクとして分けて考えたほうがいいです。

一方で、9/19〜9/20と9/26〜9/27と10/3〜10/4、この3回の土日はガチで市場が閉まります。窓のリスクが乗るのはここだけ。特に10/2の米雇用統計をまたいだあとの土日は、材料が出たあとの週末なので気にする人が多いと思うんですよね。

で、自分の口座は「何円の窓」まで耐えられるのか

ここからが本題です。窓の怖さって、結局「気づいたときにはもうロスカットされている」という一点なんですよ。土日は追加入金もできないし、ポジションも触れない。だったら金曜のうちに『いくらまでなら耐えられるか』を数字で知っておくしかないと思うんですよね。

計算自体はシンプルです。

POINT

耐えられる値幅(円) =(口座残高 − 必要証拠金 × ロスカット水準)÷(10万通貨 × ロット数)
必要証拠金 = 為替レート × 10万通貨 × ロット数 ÷ レバレッジ

実際にドル円で計算してみます。ここではレート156円・レバレッジ1000倍・ロスカット水準20%で置きました。ドル円の水準は9月に入ってからけっこう振れているので、あくまで計算用の仮置きだと思ってください。単位は「円」で、1円=100pipsです。

口座残高 0.1ロット 0.5ロット 1ロット 2ロット
10万円 9.97円 1.97円 0.97円 0.47円
30万円 29.97円 5.97円 2.97円 1.47円
50万円 49.97円 9.97円 4.97円 2.47円
100万円 99.97円 19.97円 9.97円 4.97円

この表、自分で計算してみて「あ、そういうことか」と腑に落ちたんですけど、残高10万円で2ロット持っていると、たった0.47円の逆行で飛ぶんですよ。47pipsです。週明けの窓としてはぜんぜんあり得る幅だと思いません?

ちなみにこの表、眺めているうちに暗算できることに気づきました。耐えられる値幅(円)≒ 残高(万円)÷ ロット数 ÷ 10。残高30万・1ロットなら30÷1÷10で3円。実際の計算結果は2.97円なので、ズレはたった0.03円です。というのも、この誤差は「必要証拠金 × ロスカット水準」の分でしかなくて、レバレッジ1000倍だとそこが小さすぎてほぼ効かないんですよね。金曜の夕方にサッと確認するには十分な精度だと思います。

レバレッジを上げても、窓への耐性はほぼ変わりません

ここ、私がいちばん誤解していたところなんですけど。「ハイレバだと窓で飛びやすい」ってよく言われるじゃないですか。でも計算してみると、ちょっと話が違うんですよ。残高30万円で1ロット持ったまま、レバレッジだけ動かしてみます。

レバレッジ 必要証拠金 耐えられる値幅
25倍 624,000円 残高を超えるので、そもそも建てられません
100倍 156,000円 2.69円
500倍 31,200円 2.94円
1000倍 15,600円 2.97円
2000倍 7,800円 2.98円

500倍と2000倍で、差は0.04円。たった4pipsなんですよ。つまり窓に対する耐性を決めているのはレバレッジではなく、残高とロット数です。

じゃあなぜ「ハイレバは飛びやすい」と言われるのかというと、レバレッジが高いと同じ残高で大きいロットが建ててしまえるからなんですよね。飛ばしているのはレバレッジそのものじゃなくて、それで建てた大ロットのほう。犯人が違うわけです。この区別がついてから、週末前のチェックは「レバレッジいくつだっけ」ではなく「今のロット数いくつだっけ」に完全に変わりました。

ロスカット水準0%は、窓対策として効くのか

海外FXの紹介記事だと「ロスカット水準0%だから最後まで粘れる」という説明をよく見かけますよね。これも計算してみたんですけど、効き目は使っているレバレッジによって全然違いました。

ロスカット水準が20%というのは「必要証拠金の20%を残した時点で強制決済」という意味なので、その20%分が先に取り上げられる、と考えると分かりやすいです。残高30万円・1ロットで、0%と20%の差を出してみます。

レバレッジ 必要証拠金 0%と20%の差
50倍 312,000円 62.4pips
100倍 156,000円 31.2pips
200倍 78,000円 15.6pips
500倍 31,200円 6.2pips
1000倍 15,600円 3.1pips

ハイレバで小さく建てているぶんには3pips程度の誤差にしかならないんですよ。逆に、レバレッジを絞って必要証拠金を大きく積んでいる人ほど、ロスカット水準0%の恩恵が効いてくる。60pips分ってけっこう大きいですからね。「0%だからすごい」でも「0%なんて誤差」でもなくて、自分の使い方次第で効いたり効かなかったりするというのが実際のところなんですよね。

深夜、四半期末を前にポジション一覧を確認しているところ

逆算で「今週のロット上限」を決める

ここまでは「今のポジションが何円まで耐えられるか」でしたけど、設計するなら逆向きのほうが使いやすいんですよ。つまり「この幅の窓までは耐えると決めたとき、ロットはいくつまでか」です。同じ前提(156円・1000倍・ロスカット20%)で逆算しました。

想定する窓 残高10万円 残高30万円 残高50万円 残高100万円
0.5円(50pips) 1.88ロット 5.65ロット 9.41ロット 18.83ロット
1円(100pips) 0.97ロット 2.91ロット 4.85ロット 9.70ロット
2円(200pips) 0.49ロット 1.48ロット 2.46ロット 4.92ロット
3円(300pips) 0.33ロット 0.99ロット 1.65ロット 3.30ロット

使い方は単純で、「今週はどのくらいの窓まで想定しておくか」を先に決めて、その行を横に見るだけです。残高30万円で「2円の窓までは耐えたい」なら、上限は1.48ロット。今1.5ロット持っているなら、ほぼ上限ギリギリだから半分落とすか、と判断できるわけですよ。

この表の一番いいところは、ロットを半分にすると耐性がちょうど2倍になるのが見てすぐ分かることなんですよね。全部閉じるか全部持つかの2択じゃなくて、「半分だけ落とす」という選択肢が数字で評価できるようになる。これがけっこう効きます。

じゃあ、いつ閉じるか。選択肢は4つ

時間割と早見表が揃ったので、あとは組み合わせるだけです。私は毎回この4択から選んでいます。

1. 週末をまたがない

金曜のうちに全部閉じる。いちばん確実なんですけど、そのぶん持ち越しの利益も取り逃がします。スワップ狙いのポジションには使えない手ですね。

2. ロットを半分に落とす

耐性が2倍になるので、いちばん費用対効果がいいと思っています。決済コストも半分で済むわけですし。迷ったらこれでいいんじゃないかな、というのが個人的な結論です。

3. そのまま持って、余白のほうを増やす

入金して残高を増やせば耐性も比例して増えます。ただし土日は入金しても反映されない業者があるので、やるなら必ず金曜の取引時間内に。ここは業者ごとに違うので、事前に確認しておいたほうがいいです。

4. 逆指値だけ置いて放置

これが一番危ないと思っています。というのも、窓が開いた場合逆指値は指定した価格では約定しません。窓の先、つまり月曜の始値の側で滑って約定します。「200pipsのところに置いたから最大200pipsの損失」という計算は、窓では成立しないんですよね。

POINT

私は金曜の日本時間23時ごろに「残高 ÷ ロット数 ÷ 10」を暗算して、出てきた数字が2円を下回っていたらロットを半分にする、というルールでやっています。しばらく続けてみて、判断に迷う時間が減ったのが一番の収穫でした。ルールにしておくと、値動きを見ながら悩まなくて済むんですよね。

月末のロンドンフィックスは、時間を知っておくだけでいい

9/30の四半期末について一つだけ。機関投資家のリバランスに絡んだ大口の売買はロンドンフィックスに持ち込まれやすい、というのはよく言われる話です。時間はロンドン時間の16時で、英国が夏時間の間は日本時間の24時、冬時間だと日本時間1時になります。英国の夏時間は10月最終日曜まで続くので、9/30は日本時間24時ですね。

ただし、ここで「月末だから円安/円高に動く」という決めつけだけは絶対にしないほうがいいです。フローの向きは事前には分かりませんし、毎回同じ方向に出るわけでもない。私がこの時間帯について知っておくべきだと思っているのは、方向じゃなくて「その時間帯は値が振れやすいし、スプレッドも広がりやすい」という一点だけなんですよ。新規で入るなら避ける、持っているなら余白を確認しておく。それで十分だと思います。

業者側に見ておきたい条件

ここまでの計算を踏まえると、週末や期末をまたぐ運用で確認しておきたいのは、だいたい次の4つに絞られます。

  • ロスカット水準(必要証拠金を大きく積む使い方をしているほど効いてきます)
  • ゼロカットの有無と条件(窓で残高がマイナスになったときに追加請求されないか)
  • 週明けの取引開始時刻(業者によって違います。夏時間ならおおむね月曜の早朝です)
  • 入金の反映タイミング(土日に反映されるか)

このうちロスカット水準について、Exnessは複数の情報源で確認した限りでは全口座タイプ共通で0%、マージンコールは口座タイプによって30%または60%という設定のようです。今回計算したとおり、ロスカット水準0%はハイレバで小さく建てるなら数pips程度の差にしかなりませんが、レバレッジを絞って大きめの証拠金を置くスタイルなら数十pips分の差になります。自分の使い方がどっち寄りかで評価が変わるところですね。

なお、こういう条件は各社とも予告なく変わることがあります。数字そのものは必ず公式サイトの最新情報で確認してください。この記事の数値も、複数の情報源を突き合わせた時点のものです。

注意

ゼロカットは「窓で残高がマイナスになっても追加請求されない」という制度ですが、適用条件や除外事由は業者ごとに規約で定められています。「ゼロカットがあるから何ロット持っても大丈夫」という考え方は危険です。まず飛ばさない設計にして、ゼロカットは最後の保険として位置づけてください。

FX取引はレバレッジを用いた取引であり、預けた資金(元本)を上回る損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。取引を行う際は自己責任・余裕資金の範囲で行い、各社公式サイトで最新のリスク説明書・規約を必ずご確認ください。

まとめ

今回いろいろ計算してみて、自分の中でまとまったのはこのあたりです。

  • 連休と窓は別物。市場が止まるのは土日だけで、連休で変わるのは東京時間の流動性のほう
  • 耐えられる値幅は残高(万円)÷ ロット数 ÷ 10で暗算できる(ハイレバ前提なら誤差0.03円程度)
  • 窓への耐性を決めているのはレバレッジではなくロット数。500倍と2000倍の差はたった4pips
  • ロスカット水準0%の効き目は必要証拠金の大きさ次第。3pipsのこともあれば60pipsのこともある
  • 「全部閉じる/全部持つ」の2択じゃなく、半分落とせば耐性は2倍という中間がある

9月下旬から10月頭にかけては、土日が3回と四半期末が1回。日付を並べて、早見表で今のロットを確認して、上限を超えていたら半分落とす。やることはそれだけなんですよね。方向を当てにいくより、こっちのほうがよっぽど再現性があると思っています。