ユーロドルの1pipsは「1,525円〜1,640円」だった|円建て口座の損益と証拠金には別々のレートが噛んでいる

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ユーロドル(EUR/USD)って、海外FXだとドル円の次くらいによく触る通貨ペアなんですよね。スプレッドは狭いし、流動性もあるし。

ただ、日本円建ての口座でユーロドルを触っている人に一度確認してほしいことがあって。「20pips取れた」ときの利益って、円でいくらか即答できますか?

これ、ドル円なら簡単なんですよ。1ロットで20pips取れば2万円。レートがいくらだろうと2万円です。でもユーロドルだと答えが変わるんですよね。同じ20pipsでも、その日のドル円レート次第で円建ての結果が7%以上ズレます。

しかも厄介なのが、損益の円換算と、必要証拠金の円換算で、噛んでくるレートが別物だという点。私も最初これに気づいたときは「え、2か所あるの?」ってなったんですけど、計算してみたら確かに別々でした。今回はここを、実際の公表レートを使って数字で確かめていきます。

まず、なぜユーロドルだけ「円換算」が必要なのか

理由はシンプルで、ユーロドルの損益はドルで出るからなんですよ。

ユーロドルの1pipsは0.0001ドル。1ロット(10万通貨)なら、1pips動くと10万 × 0.0001 = 10ドルです。ここまではレートと無関係に決まります。

問題はその次で、口座通貨が日本円だと、この10ドルを円に直さないと残高に反映できないんですよね。そこで使われるのがドル円レートです。ドル円が150円なら1pips=1,500円、160円なら1,600円。同じ1pipsなのに、円で見た価値が変わるわけです。

ドル円(USD/JPY)を取引しているときはこれが起きません。決済通貨がそもそも円なので、換算のステップ自体が無いんですよ。だからドル円に慣れた感覚のままユーロドルに行くと、ここでズレが出ます。

2026年のドル円で実測してみた

じゃあ実際どれくらい振れるのか。頭の中で「まあ数%でしょ」と済ませるのは私の好みじゃないので、公表されている実データで数えました。

使ったのは七十七銀行が公開している米ドル対円相場(仲値)の一覧表です。銀行が毎営業日に決めて公表している仲値が、2026年の1月から9月27日ぶんまで日別に載っているんですよね。取ってきて集計したら270営業日ぶんのデータになりました。

結果はこうです。

  • 2026年の最安値: 152.47円(1月28日)
  • 2026年の最高値: 164.01円(7月24日)
  • 値幅: 11.54円 = 7.57%

この7.57%が、そのままユーロドルの円建て損益に乗ってきます。早見表にするとこう。

ドル円レート 0.1ロット 0.5ロット 1.0ロット
150.00円 150円 750円 1,500円
152.47円(2026年最安) 152円 762円 1,525円
155.00円 155円 775円 1,550円
158.78円(9/27の仲値) 159円 794円 1,588円
160.00円 160円 800円 1,600円
164.01円(2026年最高) 164円 820円 1,640円

※ユーロドル1pips = 0.0001ドル、1.0ロット=10万通貨として計算。ドル円レートは七十七銀行の公表仲値(2026年1月〜9月27日、270営業日分)より。

1ロットの列を見てほしいんですけど、1,525円から1,640円まで、115円の開きがあるんですよね。1pipsあたりで115円です。

これを20pipsに広げるとどうなるか。0.5ロットで+20pipsを取った場合で計算すると、

  • ドル円152.47円のとき: 15,247円
  • ドル円158.78円のとき: 15,878円
  • ドル円164.01円のとき: 16,401円

同じ「0.5ロットで20pips」という取引結果なのに、円で見ると1,154円の差が出ます。ぶっちゃけ、けっこう大きくないですか。

電卓と2種類の紙幣を並べた机の上の写真。円建て口座でのドルストレート通貨ペアの損益換算をイメージした画像

ここからが本題。証拠金には「別のレート」が噛んでいる

で、私が計算していて一番「へえ」となったのがここなんですよ。

損益の円換算にはドル円を使いました。じゃあ必要証拠金も同じドル円で計算するのかというと、違うんですよね。証拠金の計算にはユーロ円(EUR/JPY)が使われます。

理屈としてはこうです。必要証拠金は「取引する通貨の量 × その通貨の価格 ÷ レバレッジ」で決まります。ユーロドルで取引しているのはユーロなので、10万ユーロを円に直す必要がある。つまりユーロ円レートの出番なんですよ。

この扱いは海外FX特有の話ではなくて、国内のFX会社のFAQでも同じ説明がされています。ヒロセ通商やSBI FXトレードの解説を見ると、ポンドドルやユーロドルの必要証拠金はポンド円・ユーロ円のレートで換算する、と明記されているんですよね。複数の情報源で確認した限りでは、この計算の考え方は業者を問わず共通のようです。

そこで、同じ七十七銀行のユーロ対円の仲値も取ってきて、同じ270営業日ぶんで集計しました。

  • ユーロ円 2026年の最安値: 178.05円
  • ユーロ円 2026年の最高値: 187.75円
  • 値幅: 9.70円 = 5.45%

必要証拠金に直すとこうなります。ユーロドル1.0ロット(10万ユーロ)のケースです。

ユーロ円レート レバ1000倍 レバ500倍 レバ200倍
178.05円(2026年最安) 17,805円 35,610円 89,025円
180.56円(9/27の仲値) 18,056円 36,112円 90,280円
187.75円(2026年最高) 18,775円 37,550円 93,875円

※必要証拠金 = 10万ユーロ × ユーロ円レート ÷ レバレッジ。ユーロ円は七十七銀行の公表仲値より。実際に適用されるレートや証拠金率は業者・口座タイプによって異なるため、最新は各社公式サイトで要確認。

POINT

同じユーロドルの1回の取引の中に、ドル円(損益の換算)とユーロ円(証拠金の換算)という2つの別々のレートが噛んでいます。しかも2026年の振れ幅はドル円が7.57%、ユーロ円が5.45%と揃っていません。だから「円換算の影響」を1つの数字でまとめて語ることはできないんですよね。

私も最初は「どうせ両方とも円安になれば一緒に増えるんでしょ」と思っていたんですけど、集計してみたら振れ幅が違いました。ユーロドル自体が動くぶん、ユーロ円とドル円はズレるんですよね。当たり前といえば当たり前なんですけど、実際に数えるまでピンと来ていなかった部分でした。

地味に効いてくるのが、リスク管理のズレ

ここまでは「結果が何円になるか」の話でした。でも実務でもっと効いてくるのは、入る前のロット計算のほうだと思うんですよね。

たとえば「1回のトレードで失ってもいいのは2万円まで」と決めていて、ストップを20pipsに置くとします。このとき建てられるロットは、ドル円レート次第でこうなります。

  • ドル円152.47円: 0.656ロット
  • ドル円158.78円: 0.630ロット
  • ドル円164.01円: 0.610ロット

つまり円安になるほど、同じリスク額で建てられるロットは小さくなるんですよ。0.656と0.610なら7%くらいの差です。

単発だとそこまででもない気がするかもしれないんですけど、これを「去年決めたロット表」のまま使い続けていると話が変わってきます。ドル円が152円だった1月に作った表を、158円台の今そのまま使うと、リスク額が想定より膨らむんですよね。

注意

ドルストレート銘柄でロット計算表を作るときは、作った日のドル円レートを必ず表に書き添えておくことをおすすめします。書いていないと、あとで見返したときに「この表は何円前提だったんだっけ」が分からなくなります。2026年は9月の1か月だけでもドル円が153.65円〜160.29円と4.32%動いているので、月単位で見直す価値は十分あります。

じゃあドル建て口座にすれば解決するのか?

ここまで読むと「口座通貨を米ドルにすれば換算なんて要らないじゃん」と思いますよね。私も思いました。

結論から言うと、消えるわけではなくて、為替の影響が別の場所に移動するだけなんですよ。

確かにドル建て口座なら、ユーロドルの損益はドルのまま確定するので、ドル円の換算は挟まりません。そこはスッキリします。でも代わりにこうなります。

  • 口座残高そのものが円ベースで毎日動く。 ドルで1,000ドル持っている状態は、円で見ると毎日評価額が変わります。トレードしていなくても動くんですよね
  • 入出金のたびに両替コストが乗る。 日本の銀行から円で入れてドルに替える、出金してまた円に戻す。この往復で為替手数料がかかります
  • ドル円を取引するなら、今度はそっちの損益がドル換算になる。 ドル円で稼いだぶんをドル建て口座に入れるには、結局換算が必要です

要するに、日本に住んで日本円で生活している限り、どこかで必ず円に戻すわけで、その換算をどのタイミングで確定させるかを選んでいるだけなんですよね。円建て口座は「取引のたびに小刻みに確定」、ドル建て口座は「出金のときに一括で確定」。どっちが良いかは、正直その人の資金の使い方次第だと思います。

ひとつだけ実務的に大事なのが、口座通貨は後から変更できない業者がほとんどだという点。複数の情報源で確認した限りでは、Exnessをはじめ主要な業者では口座開設時に選んだ基本通貨をあとから変えることはできず、通貨を変えたければ新しい取引口座を作り直す運用になっているようです。最新の扱いは公式サイトで確認してほしいんですけど、一度決めたら片道の選択だと思っておいたほうがいいですね。

POINT

私がいまやっているのは、円建て口座のまま「1pipsの円価値」だけを月初に更新するという運用です。ドル円の仲値を1つメモして、上の早見表の数字を書き換えるだけ。作業としては1分もかからないんですけど、ドルストレートを触るときの感覚のズレがだいぶ減った気がします。個人的にはこのやり方はおすすめできると感じています。

この観点で業者を見るなら

ドルストレートを主戦場にするなら、業者選びで見るポイントも少し変わってくるんですよね。

ひとつは口座通貨の選択肢があるかどうか。日本円口座を用意していない業者もあるので、円で管理したい人は最初に確認しておきたいところです。もうひとつは取引ツール上で通貨ペアごとの1pips価値や必要証拠金を確認できるか。毎回電卓を叩くより、ツール側で出してくれるほうが圧倒的に楽です。

その点、Exnessは日本円を含む複数の基本通貨に対応していて、口座タイプも複数から選べるようになっています。スキャルピング寄りの条件を探している人にも選択肢に入りやすい業者なんですけど、口座通貨は後から変えられないので、開設前にどの通貨で管理するかだけは決めておいてくださいね。

ちなみに、今回計算に使ったドル円・ユーロ円の仲値はどちらも銀行が公表しているもので、誰でも同じ数字を確認できます。業者の出す数字を鵜呑みにせず、自分で一度計算してみると腑に落ちると思うんですよね。

FX取引はレバレッジを用いた取引であり、預けた資金(元本)を上回る損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。取引を行う際は自己責任・余裕資金の範囲で行い、各社公式サイトで最新のリスク説明書・規約を必ずご確認ください。

まとめ

長くなったので整理しますね。

  • 円建て口座でユーロドルを取引すると、損益の円換算にドル円が噛む。1ロットの1pipsは2026年の実測で1,525円〜1,640円まで振れた(7.57%)
  • 同じ取引の必要証拠金にはユーロ円が噛む。こちらは2026年で5.45%の振れ幅。損益側と証拠金側で振れ幅が違う
  • 同じリスク額・同じストップ幅でも、建てられるロットはドル円レートで7%ほど変わる。古いロット表の使い回しは要注意
  • ドル建て口座にしても為替の影響は消えず、確定するタイミングが移動するだけ。しかも口座通貨は後から変更できないことが多い

ドル円ばかり触っていると気づきにくいところなんですけど、一度自分の口座の数字で計算しておくと、ドルストレートに手を出すときの解像度がかなり上がると思います。月初に1pipsの円価値をメモするだけでもだいぶ違うので、よかったら試してみてくださいね。