【2026年9月4日】米雇用統計からFOMC・日銀まで2週間|ドル円が2日で5円動いた今、口座は何pips耐えられるか

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おはようございます、瀬名ハルカです。今週のドル円、正直ちょっと怖い動き方をしたんですよね。週の頭に160円台にいたはずが、木曜の朝には155円台なんですよ。2日で5円って、pipsに直すと500pipsです。

しかも今夜(9月4日21時30分)には米雇用統計が控えていて、そこから9月16日のFOMC・9月18日の日銀金融政策決定会合まで、約2週間ずっとイベントの上を歩き続けることになるんですよ。

で、こういうときって「次は上がるのか下がるのか」の話ばっかり読みたくなるんですけど、私はそこにあんまり興味がなくて。それより先に確認しておきたいことがあるんですよね。今持っているポジションは、あと何pips逆行したら口座が強制的に閉じられるのか。今回はそこを自分で計算する話をします。

まず、今週何が起きたのか

時系列で整理すると、こういう流れなんですよ。

  • 先週末〜週明けは160円台。8月28日のジャクソンホール講演がタカ派的と受け止められて、ドル高方向に振れていた(前回の週間まとめで書いたとおりです)
  • そこから流れが反転。日銀の利上げ加速観測が強まる一方で、FRBの利上げ期待が後退したことで円高・ドル安が進行
  • 9月3日は終値ベースで約1.8%の大幅安。155.30円前後まで、前日比3円超下落する場面もあった
  • 9月4日朝の時点では155円台後半で推移。直近2日間の下落幅は5円前後

2日で5円というのは、日足を見慣れている人でもちょっと身構える速さなんですよね。ちなみに複数の情報源で確認した限りでは、今の焦点は「155円の攻防」に置かれているようです。ある業者の朝の予想レンジは154.50〜157.50円となっていました。

今夜の米雇用統計は、予想値そのものが割れている

で、今夜の米8月雇用統計なんですけど、これがちょっと面白くて。市場予想値が情報源によってバラついているんですよ。

私が確認した範囲だと、非農業部門雇用者数(NFP)の予想は+5.5万人・+5.6万人・+6.0万人と3系統で微妙に違いました。失業率も4.1%とする見方と4.2%とする見方で割れています。前回値が▲2.3万人(マイナス)だったという点は、どのソースでも一致していました。

注意

市場予想値は発表直前まで動きますし、集計元によっても違います。この記事の数字も執筆時点のスナップショットでしかないので、必ずご自身が使っている経済指標カレンダーで最新値を確認してください。発表時刻も同様です。

前回がマイナスだったので、「プラスに戻るのか」「5万人を超えられるのか」あたりが見られているようですね。ただ、結果がどっちに転ぶかを当てにいく話は私はしません。というのも、この2週間は「1回当てる」より「途中で退場しない」ほうが圧倒的に難しい局面だからなんですよね。

2週間、イベントの上を歩き続けることになる

今夜の雇用統計が終わっても、まだ終わらないんですよ。私が確認できた範囲の日程はこうです。

POINT

9月4日(金) 米8月雇用統計 → 9月10日(木) ECB(欧州中央銀行)の政策発表 → 9月16日(水) FOMCの結果公表 → 9月18日(金) 日銀金融政策決定会合の結果公表
つまり日米欧の中銀イベントが1週間半のあいだに3つ並んでいる状態です。

しかもFOMCの9月会合は経済見通し(SEP)とドットチャートが公表される回とされていて、注目度が高い回なんですよね。日銀のほうは9月17〜18日の2日間で開催され、結果公表は18日の昼ごろ、総裁会見が15時30分からというのが通例です。

ここで地味に効いてくるのが時間帯の違いなんですよ。FOMCの結果は日本時間だと未明、つまり多くの人が寝ている時間に出ます。一方で日銀は日中です。同じ「重要イベント」でも、自分が画面の前にいられるかどうかが全然違うんですよね。寝ている間に結果が出るイベントは、「見てから対応する」という選択肢が最初から存在しないわけです。

本題:自分の口座は「あと何pips」耐えられるのか

ノートとメモ用紙で証拠金の余力を手計算している様子

ここからが今回の本題です。私、この週の値動きを見ていて「じゃあ自分の口座は何pipsの逆行まで生き残るんだろう」というのが急に気になったんですよ。感覚では分かってるつもりだったんですけど、実際に計算してみたら想像よりだいぶ短くて、正直ちょっと引きました。

計算式自体はシンプルなんですよね。

POINT

耐えられる逆行(pips) =(有効証拠金 −(必要証拠金 × ストップアウト水準))÷ 1pipsあたりの損益
必要証拠金は「取引額 ÷ レバレッジ」、ドル円1ロット(10万通貨)なら1pips = 1,000円で計算できます。

この式に実際の数字を入れてみます。前提は資金10万円・ドル円155.00円・レバレッジ1,000倍・ストップアウト水準20%。他にポジションは持っていない状態です。

ロット数 必要証拠金 ストップアウトまでの余力 耐えられる逆行
0.1ロット 1,550円 99,690円 約997pips(約10.0円)
0.3ロット 4,650円 99,070円 約330pips(約3.3円)
0.5ロット 7,750円 98,450円 約197pips(約2.0円)
1.0ロット 15,500円 96,900円 約97pips(約1.0円)
2.0ロット 31,000円 93,800円 約47pips(約0.5円)
3.0ロット 46,500円 90,700円 約30pips(約0.3円)

※上記は筆者が上の式で計算した試算値です。スプレッド・スワップ・手数料は考慮していません。特定業者の実測値ではありません。

これ、並べると結構えぐいと思いません?資金10万円で3ロット持つと、たった30pipsで口座が閉じられるんですよ。今週のドル円は2日で500pips動いてるので、30pipsなんて誤差みたいなものなんですよね。

「ハイレバにすれば耐えられる」は、たぶん誤解

で、ここで私がいちばん「へえ」と思った話をします。よく「レバレッジを上げたほうがロスカットされにくい」って言われるじゃないですか。必要証拠金が減るぶん余力が増えるから、というロジックですね。これ自体は間違ってないんですけど、効き方の大きさが思っているほどじゃないんですよ。

さっきと同じ前提で、1.0ロット固定のままレバレッジだけ変えて計算し直したのがこちらです。

レバレッジ 必要証拠金 耐えられる逆行
200倍 77,500円 約85pips
500倍 31,000円 約94pips
1,000倍 15,500円 約97pips
2,000倍 7,750円 約99pips

※同じく筆者の試算(資金10万円・ドル円155.00円・ストップアウト20%)。

見てのとおりなんですけど、レバレッジを200倍から2,000倍に10倍にしても、耐えられる幅は85pips→99pipsで14pipsしか伸びないんですよ。一方でさっきの表では、ロットを1.0→3.0にしただけで97pips→30pipsまで潰れました。

つまりこういうことなんですよね。

POINT

ストップアウトまでの距離を決めているのはほぼロット数(と資金)。レバレッジやストップアウト水準の違いは、効くことは効くけど脇役です。ハイレバ口座に移しても、同じロットを持つなら生存距離は数pipsしか変わりません。

ちなみにストップアウト水準も同じで、20%と100%で比べても97pips→85pipsと、12pipsしか変わらないんですよ。「うちは水準が低いから安心」みたいな話より、ロットを1段落とすほうが桁違いに効くという結論になります。ロットの決め方そのものや、指標を跨ぐときにどこまでロットを落とすかは別記事で計算しているので、あわせて読んでもらえると繋がると思います。

ただし、この「何pips」は約束された数字じゃない

価格が飛んで空白ができたローソク足チャートの拡大

ここ、大事なので書いておきますね。上の表の数字は「価格が連続して動いた場合」の理論値なんですよ。

ストップアウトって、その水準に達した瞬間に自動で決済が走る仕組みなんですけど、約定する価格までは保証してくれません。価格が飛んで「窓」が開いたときは、そのあいだに取引が成立していないので、気づいたら想定よりずっと下で決済されていた、ということが起きうるんですよね。

特に今回みたいに未明に結果が出るFOMCや、週明けの窓が絡む局面だと、そこは素直に警戒しておいたほうがいいと思います。だからこそゼロカット(追証なし)の仕組みが効いてくるわけですけど、ゼロカットは「マイナスにならない」だけで「損しない」わけじゃないですからね。

注意

ストップアウト水準は業者・口座タイプによって違います。たとえばXS.comはセント口座とそれ以外で水準が分かれています。上の表をそのまま自分に当てはめず、必ず自分の口座の水準・レバレッジ・資金で計算し直してください。

今後の注目ポイント

まとめると、この2週間で見ておくものはこのあたりだと思っています。

  • 今夜の米雇用統計(9/4 21:30予定):予想値が情報源で割れているので、「予想比でどうだったか」の報道は複数見たほうがよさそうです
  • 9/10のECB、9/16のFOMC、9/18の日銀:日米欧が短期間に並ぶので、ポジションを持ち越す日を意識的に選ぶ局面なんですよね
  • 155円という水準:市場ではここが目安として意識されているとの見方がありますが、抜けたらどうなるという予測は私はしません
  • 自分のストップアウトまでの距離:これだけは相場と関係なく、今日この場で数えられます

正直に言うと、私はこういう週ってロットを落として、あとは何もしないのが好きなんですよ。当てにいかないと決めるとチャートを見る時間も減るので、精神衛生的にもだいぶ楽になるんですよね。

FX取引はレバレッジを用いた取引であり、預けた資金(元本)を上回る損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。取引を行う際は自己責任・余裕資金の範囲で行い、各社公式サイトで最新のリスク説明書・規約を必ずご確認ください。

まとめ

今週のドル円は2日で5円(約500pips)動きました。今夜の米雇用統計から9/10のECB・9/16のFOMC・9/18の日銀まで、約2週間はイベントが続きます。

で、そのあいだに何をするかというと、方向を当てにいく前に「自分の口座はあと何pips耐えられるのか」を計算しておくことなんじゃないかなと思っています。実際に計算してみると、効いているのはレバレッジでもストップアウト水準でもなく、ほぼロット数でした。資金10万円で3ロット持てば30pips、1ロットなら97pips。この差はレバレッジをどれだけ上げても埋まらないんですよね。

相場がどっちに行くかは分かりませんけど、自分の生存距離が何pipsかは今すぐ分かります。ここだけは先に数えておいて損はないと思うんですよ。