【2026年9月28日週】米雇用統計の「予想+10.0万人」は当たるのか — 過去24回の予想と結果を並べたらピタリ賞は0回だった

本記事はプロモーションを含みます。掲載している海外FX業者のリンクから口座開設等が行われた場合、当サイトが提携先企業から成果報酬を受け取ることがあります。

こんにちは、瀬名ハルカです。今週(2026年9月28日〜10月2日)は指標がぎっしり詰まってるんですよね。水曜に米PCEデフレーター、木曜の朝に日銀短観、そして金曜の夜に米9月雇用統計。

で、どのニュースを見ても「市場予想は非農業部門雇用者数が前月比+10.0万人」と書いてあるんですよ。私、これを見るたびに毎回思うんですけど、この「予想」って、そもそもどのくらい当たるんでしょうか?

気になったので数えてみたんですよ。みんかぶFXの推移表から過去24回分の「予想」と「結果」を引っ張ってきて、全部引き算してみたんですよね。結論から言うと、24回中、予想がピタリと当たったのは0回でした。

まず今週の日程を日本時間で並べておく

今週の主なイベントはこんな感じなんですけど、けっこうな密度です。時刻は日本時間(JST)。米国はまだ夏時間なので、指標の時刻が普段より1時間早い点だけ頭に入れておいてください。

日付 時刻(JST) 内容
9/28(月) — 日銀金融政策決定会合議事録(7月30-31日分)
9/29(火) 13:30 豪RBA政策金利(0.25%利上げ予想)
9/29(火) 夜 米9月消費者信頼感指数、米8月JOLTS求人件数
9/30(水) 夜 米8月PCEデフレーター、米9月ADP、独9月CPI速報値
9/30(水) — 外国為替平衡操作の実施状況(介入実績の月次公表)
10/1(木) 8:50 日銀短観(7-9月期)、日銀「主な意見」(9月会合分)
10/1(木) 23:00 米9月ISM製造業景況指数(予想55.0、前回54.6)
10/2(金) 18:00 ユーロ圏9月HICP速報値(予想 前年比+3.5%)
10/2(金) 21:30 米9月雇用統計

ちなみに今は日米欧そろって利上げ方向の話をしている局面なんですよね。外為どっとコムによると10月FOMCの利上げ織り込みは7割超、フィスコによればRBAの今回の利上げは市場が9割超織り込み済み。日本の10年債利回りも一時3.115%と1996年8月以来の水準、米10年債も一時5.23%と2007年6月以来の水準が伝えられています。金利が動く材料が毎日出てくる週、ということです。

「予想+10.0万人」はどこから来た数字なのか

今回の雇用統計の予想値は、私が確認した限り2系統で一致していました。みんかぶFXの指標ページが「非農業部門雇用者数 予想10.0万人/失業率 予想4.1%/平均時給前月比 予想+0.3%」、フィスコ(財経新聞経由)も同じ数字。ここは珍しく綺麗に揃ってるんですよね。

注意

今回はたまたま一致しただけで、予想値は情報源によって割れることがあります。以前この欄で同じ作業をやったときは、同じ回の予想が3系統で+5.5万/+5.6万/+6.0万に割れていました。自分が見ているカレンダーの数字が唯一の正解ではない、という前提で見てください。

【自前集計】過去24回の「予想」と「結果」を並べてみた

やったことはシンプルです。みんかぶFXの雇用統計ページに載っている推移表(2024年9月分〜2026年8月分の24回)をそのまま取ってきて、結果 − 予想を計算しただけ。誰でも同じ手順で再現できるはずなんですよね。

直近12回を抜粋するとこうなりました(単位:万人)。

対象月 予想 結果 乖離
2025年09月 +5.5 +11.9 +6.4
2025年10月 -2.5 -10.5 -8.0
2025年11月 +5.1 +6.4 +1.3
2025年12月 +7.0 +5.0 -2.0
2026年01月 +7.0 +13.0 +6.0
2026年02月 +6.0 -9.2 -15.2
2026年03月 +6.0 +17.8 +11.8
2026年04月 +6.0 +11.5 +5.5
2026年05月 +8.9 +17.2 +8.3
2026年06月 +11.0 +5.7 -5.3
2026年07月 +8.0 -2.3 -10.3
2026年08月 +5.5 +16.2 +10.7
経済指標の予想値と結果を紙の上で並べて比較しているイメージ

発見1: 平均で6.37万人ズレていた

24回の乖離を絶対値で平均すると6.37万人。中央値でも5.75万人でした。上振れが14回、下振れが10回なので、どちらかに偏っているわけでもないんですよ。絶対値で5万人以上ズレた回が24回中15回(62%)、10万人以上ズレた回も5回あります。一番ズレたのは2026年2月分なんですけど、予想+6.0万人に対して結果は-9.2万人、乖離15.2万人でした。

発見2: 予想は狭いのに、結果は広い

これが個人的に一番おもしろかったところなんですけど。2026年に入ってからの8回だけを取り出すと、予想の値は+5.5万〜+11.0万の幅5.5万人に収まっているのに対して、結果は-9.2万〜+17.8万で幅27.0万人。つまり結果の散らばりは予想の約4.9倍なんですよ(標準偏差で比べても5.2倍)。

予想というのは「だいたいこのへん」に寄せて出てくるものなので、そもそも結果の振れ幅を捉えにいってないんですよね。予想レンジを見て「だいたいこのへんか」と安心するのは、ちょっと危ないなと思うんですよ。

発見3: でも「失業率」と「平均時給」はよく当たる

面白いのは、同じ発表に含まれる他の数字だと予想がけっこう当たるんですよね。同じ24回分で集計するとこうでした。

項目 完全一致 ±0.1以内 平均乖離
非農業部門雇用者数 0% — 6.37万人
失業率 39% 96% 0.065%
平均時給・前月比 30% 87% 0.083%
平均時給・前年比 26% 52% 0.143%

失業率は96%の確率で予想の±0.1%以内に収まってるんですよ。ということは、サプライズの発生源は事実上、雇用者数本体に偏っているということになります。

発見4: 前回分が平均3.1万人書き換わっている

もうひとつ見落としがちなのが改定値。雇用統計って、最新月の数字と一緒に前月分の改定値も出るんですよね。推移表の「前回改定値」を当月の結果と引き算してみたら、平均3.08万人ぶん書き換わっていました(22回で集計、うち下方修正が15回)。3万人以上動いた回が11回、最大は2025年6月分の-13.3万人。速報値だけ追っていると、気づかないうちに前提がずれていくことになるんですよね。

POINT

雇用統計は「1つの数字が予想と比べてどうか」で読める指標ではないんですよね。当たらない本体(雇用者数)、ほぼ当たる副指標(失業率・平均時給)、そして静かに書き換わる前月分。この3つが同時に出てくる、と整理しておくと見通しがよくなります。

これを取引条件の話に落とすと

ここからが本題というか、実際に口座を持っている側の話なんですけど。正直、ここを詰めておくかどうかで当日の落ち着き方がぜんぜん違うんですよ。

まず、発表前に「どの数字で判断するか」を決めておく。上の集計どおり、毎回サプライズの主語が変わるんですよ。雇用者数が大きく外れて失業率は予想どおり、みたいな回が普通にあります。「発表を見てから考える」だと、広がったスプレッドの中で数秒以内に3つの数字を読み分けることになるので、正直かなり無理があると思うんですよね。

次に、想定する幅を過去の実測から持っておく。今回の予想+10.0万人に、過去24回の乖離をそのまま当てはめると、結果は-5.2万人〜+21.8万人に散らばります(中央値は+12.0万人)。これは予測ではなくて、「過去がどれくらい散っていたか」の話なんですけど。この幅が来ても壊れないポジションサイズになっているか、というのは発表前に確認できることなんですよね。

そして発表直後はスプレッドが広がる時間帯だということ。成行が滑る、逆指値が想定より手前で刺さる、といった挙動は業者ごとに差が出るところなので、自分の口座が指標時にどう振る舞うかは、小さいロットで一度確認しておくのが確実です。私も新しく口座を開いたときは、まず本番の指標で最小ロットを1回通してみることにしています。

今後の注目ポイント

今週これから見ておきたいのは、この3つかなと思います。

まず9月30日(水)の米8月PCEデフレーター。FRBが最重視する物価指標で、フィスコによればコアは7月実績からやや加速する予想が出ているようです。同じ日に外国為替平衡操作の実施状況(介入実績の月次公表)もあります。

次に10月1日(木)8時50分の日銀短観。これ、めずらしく東京時間の朝に出る大物なんですよね。流動性が薄めの時間帯なので、夜の指標と同じ感覚でいると意外と滑ります。同じ日に9月会合の「主な意見」も出るので、日銀の次の一手を探る材料が朝に集中するんですよね。

そして10月2日(金)21時30分の米9月雇用統計。予想は+10.0万人ですが、上で見たとおりこの数字は当たらない前提で構えておくのが現実的だと思います。なお21:30なのは米国が夏時間だからで、11月に入ると22:30にずれます。

市場予想値は情報源によって違うことがあるので、実際に見るときはご自身が使っているカレンダーの数字を確認してください。各指標の確定的な情報は、必ず発表元の公式サイトでご確認を。

FX取引はレバレッジを用いた取引であり、預けた資金(元本)を上回る損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。取引を行う際は自己責任・余裕資金の範囲で行い、各社公式サイトで最新のリスク説明書・規約を必ずご確認ください。

まとめ

今回いちばん言いたかったのは、「市場予想」は的中させるために出ている数字ではないということなんですよね。過去24回でピタリ賞は0回、平均6.37万人ズレ、2026年に限れば結果の散らばりは予想の約4.9倍。しかも前月分が平均3.1万人書き換わる。

だからといって指標を見るのが無駄という話ではまったくなくて、「どのくらい外れるものなのか」を数字で持っておくと、発表前に決められることが増えるという話です。どの数字で判断するか、どの幅までなら耐えられるか。この2つは、発表を待たなくても今日決められるんですよね。

数え方は本文に全部書いたので、興味があれば次回ご自身で再現してみてください。表を24行並べて引き算するだけなんですけど、正直30分もかかりません。