【2026年10月12日】日米そろって祝日でも為替は止まらない。FRBの26年分のレートで数えたら「普通の日の0.65営業日分」動いていました

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明日2026年10月12日(月)はスポーツの日で、日本は祝日です。そして同じ日、アメリカもコロンブスデー(Columbus Day)という連邦祝日なんですよね。日米そろってお休みという、ちょっと珍しい日なんですよね。

で、こういう日になると「市場が閉まるから動かないでしょ」みたいな話をよく見かけるんですけど、これ、正確じゃないんですよ。というのも為替市場そのものは、月曜も普通に開いています。

じゃあ実際どれくらい動くのか。感覚で語っても仕方ないので、FRB(米連邦準備制度理事会)が公表しているドル円の公定レート26年分を落としてきて、自分で数えてみました。

そもそも「休み」には2種類ある

ここが今日いちばん言いたいところなんですけど、ひとくちに「休み」と言っても、為替をやる人間にとっては全然意味が違う2種類があるんですよね。

POINT

(A) 土日 … 為替市場そのものが閉まっています。取引できる時間が1秒も増えません。

(B) 平日の祝日(米銀休業日など) … 銀行や債券市場は休みでも、為替市場は開いたままです。参加者が減って薄くなるだけ。

明日のコロンブスデーは完全に(B)のほうなんですよ。アメリカの銀行と債券市場はお休みですが、株式市場は通常どおり開きますし、為替も当然動きます。ちなみに債券市場の扱いについては情報源によって書き方が割れていたので、ここは「休みになる見込み」くらいに受け取っておいてください。為替が開いているという点は、どの情報源でも一致しています。

シャッターの下りた銀行の入口

FRBの26年分のレートで数えてみた

使ったのはFRBのH.10統計というやつです。ニューヨーク正午時点のドル円の買値を、営業日ごとに1本だけ公表しているもので、2000年1月から2026年10月まで6,708営業日分ありました。公的機関が出している一次データなので、素性がはっきりしているのが気持ちいいんですよね。

これ、都合がいいことに米銀が休みの日はレートが公表されません(「ND」と書かれて空欄になります)。26年間で272日ぶんありました。つまりこのデータ自体が「アメリカの休業日カレンダー」を兼ねているわけです。

そこで、「ある日のレートから、次に公表されたレートまでどれだけ動いたか」を、間に挟まっている休みの種類で分けて数えました。単位は銭(1銭=1pips)なんですけど、要はpipsだと思ってもらえれば大丈夫です。

区間の種類 件数 中央値 上位10% 最大
平日→翌平日(間に休みなし) 5,238 37.0銭 111.0銭 579.0銭
金→月(土日をまたぐ) 1,201 35.0銭 102.0銭 450.0銭
平日の休みを1日はさむ 74 44.0銭 127.0銭 242.0銭
金→火(土日+月曜が米銀休業) 190 46.0銭 139.0銭 292.0銭

土日は、やっぱり「増えない」

まず金→月を見てください。カレンダー上は3日分の時間が経っているのに、動きの中央値は35.0銭。普通の平日1日(37.0銭)より、むしろちょっと小さいんですよね。

当たり前といえば当たり前なんですけど、土日は誰も取引していないので、時間が経っても値段は動きようがないわけです。「週末をまたぐと窓が開いて危ない」とよく言われますが、少なくともドル円の中央値で見るかぎり、週明けの水準は金曜とそんなに変わらないんですよ。もちろん最大450銭という例もあるので、尻尾が太いのは事実ですけど。

でも「平日の祝日」は、ちゃんと動いている

問題は金→火のほうです。これは土日に加えて、月曜が米銀休業だったケース。中央値が46.0銭まで増えています。金→月の35.0銭と比べると、明らかに大きいですよね。

独立して「平日の休みを1日はさむ」ケース(74件)でも44.0銭と、ほぼ同じ方向に出ています。別々のサンプルで同じ結果が出たので、たまたまではなさそうなんですよ。

どれくらい動いているのかを営業日に換算してみます。ばらつきは足し算できる(分散の加法性)と仮定して逆算すると、

(46.0² − 35.0²) ÷ 37.0² ≒ 0.65営業日分

POINT

米銀が休みの平日は、普通の日のおよそ65%くらいは動いていました。ゼロでもないし、普通の日と同じでもない。「ちょっと薄い、でもちゃんと動く日」というのが実測の答えなんですよね。

日本の祝日のほうはどうなのか

じゃあ日本側の祝日は? こちらは米銀が開いているのでH.10にレートが出ます。日本が祝日だった日(170日)と、普通の平日(5,068日)で比べてみました。

件数 中央値 上位10% 最大
日本が祝日 170 35.0銭 112.0銭 233.0銭
日本も平日 5,068 37.0銭 111.0銭 579.0銭

正直、拍子抜けするくらい変わらないんですよね。中央値で2銭、上位10%にいたってはほぼ同じ。「東京が休みでもドル円は普通に動く」というのが数字の結論です。

ただ1つだけはっきり違うのが最大値で、233銭 対 579銭。極端にぶっ飛ぶ日は、東京が開いている日に集中しているんですよ。普段の値動きは変わらないけど、大荒れの日だけは東京の参加者がいないと起きにくい、という読み方ができると思います。

祝日の朝、人通りの少ないビジネス街

「10月第2月曜」は毎年やってくる日米同時休

ついでに気づいたんですけど、10月第2月曜は、日本のスポーツの日(旧・体育の日)とアメリカのコロンブスデーが毎年ぶつかります。調べたら2000年以降の27年のうち24年がそうでした。

例外は3年だけ。2020年と2021年は東京五輪の関係でスポーツの日が7月に移動していて、2007年はH.10にレートが載っていました(ただし前営業日と小数点以下まで同じ値だったので、実質的に据え置きだった可能性が高いです)。

この「第2月曜をまたいだ金→火」を25回分並べてみると、絶対値の中央値は39.0銭。おおむね静かです。ただし最大は273銭で、これは2008年10月。リーマン・ショック直後の週で、金曜99.44円→火曜102.17円と一気に動いていました。祝日だから安全、という話では全然ないんですよね。

注意

今回のデータはニューヨーク正午の1日1本のレートなので、日中の高値・安値(レンジ)ではありません。「公表値から次の公表値までの変化」を数えたものです。日中にどこまで往復したかは、このデータからは分かりません。

実務で気をつけたいこと

値段が動くこと自体より、薄い板で動くほうが個人的には厄介だと思っています。参加者が減っている時間帯は、同じニュースでも値が飛びやすいですし、スプレッドも広がりやすいんですよ。

あと見落としがちなのが受渡日です。為替の決済は原則2営業日後なんですけど、この「営業日」はその通貨の国の銀行が開いている日で数えます。ドル円ならアメリカと日本の両方。明日みたいに両国同時に銀行が休みだと、受渡日が後ろにずれて、スワップポイントの付与日数が変わることがあります。ポジションを持ち越す人は、使っている業者のスワップカレンダーを一度見ておくといいと思うんですよね。

スキャルピングみたいに回転数で稼ぐスタイルだと、こういう薄い日のスプレッド拡大がそのままコストに効いてくるんですよね。普段から自分の業者がどのくらい広がるのか、こういう日こそ記録しておくと後で役に立つと思います。

今週、次に見るところ

月曜が静かでも、週の後半はそうでもなさそうです。複数の経済指標カレンダーで確認した限りでは、今週は以下が予定されています。

日付 内容 日本時間
10/12(月) 日米同時に祝日(スポーツの日・コロンブスデー) —
10/14(水) 米消費者物価指数(CPI) 21:30
10/15(木) 米小売売上高 21:30

CPIと小売売上高が2日連続で21:30に来る形なんですよ。市場予想は情報源によって数字が割れていたので、ここでは具体的な予想値は載せません。発表日時も含めて、最新のものは各自でカレンダーを確認してもらえればと思います。

注意

本記事は過去26年分の実績を数えたものであって、今後の値動きを予測するものではありません。「過去こうだった」と「これからこうなる」は別の話です。

FX取引はレバレッジを用いた取引であり、預けた資金(元本)を上回る損失が生じる可能性があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、投資を勧誘するものではありません。取引を行う際は自己責任・余裕資金の範囲で行い、各社公式サイトで最新のリスク説明書・規約を必ずご確認ください。

まとめ

今日の話を3行にすると、こんな感じです。

POINT

・土日は市場そのものが閉まっているので、時間が経っても動きは増えない(金→月で35.0銭、普通の日と同じ)

・平日の祝日は市場が開いているので、ちゃんと動く。実測で普通の日の約0.65営業日分

・日本の祝日でもドル円の中央値はほぼ変わらない。ただし大荒れの日だけは起きにくい

「祝日だから何もない」と思って放置するのがいちばん危ないパターンなんですよね。動く量は普通の日の3分の2くらいあるのに、板は薄い。この組み合わせがいちばん事故りやすいと思っています。

私も明日は、ポジションを軽くしてのんびり眺める日にしようと思っています。数字を数えてみて、むしろ「気を抜く日ではないな」と再確認したので。

※本記事の集計は、FRB「Foreign Exchange Rates – H.10」のヒストリカルデータ(日本円・2000年1月3日〜2026年10月2日、6,708営業日)、FRB「K.8 Holidays Observed by the Federal Reserve System」、内閣府「国民の祝日について」のCSVを一次ソースとして、筆者が自前で集計したものです。